シャングリラ/マグニチュード/まにまに

シャングリ・ラ・23話。ラス前、全世界を掌握するついでにドSぶりを遺憾なく発揮している五十嵐姐さんの独壇場である。事前の根回しとその場の言動でいとも簡単に周囲の人間どもを動かしてゆく彼女の苛烈さはなかなかにキッツいことだ。…まその、何ですな、すっかり諦観の傍観でついでにあっさり負けてるタルシャンと京田さんの役に立たなっぷりがいちいちめんどくさいことっすな。もがけあがけよ、クニコさんのように。トシだからしょうがない所もあるでしょうけどさ。


事件の核心とクライマックスに近づきつつある盛り上がりは出ているものの、一部のキャラの行動がどうもチグハグに見えるのは圧縮展開のせいかしらん。メガネさんはあれじゃ物語上何のために助かったのかよう判らんし(来週まだ役目はあるにせよ)、あっち撃ったりこっち助けたりしてるイケメン侍従たちの行動もなんか頭悪そうに見える。…何よりドMショタさんがホンマにただのドMだったのがかなり残念だなあ。思わせぶりな伏線の割にそのまんまかいな。エエけど。


電脳空間バトルは毎度ながらちと陳腐。判りやすいけどね。折角チマっとしたアヴァターがあるんだし、とりあえず京田尚子御大には萌え声で喋ってほしかったけどな! 昔とった杵柄でさ! 萌え京田! 


東京マグニチュード8.0・9話。マリ母さんは娘と母を求めて自宅に帰り着く。焦土と瓦礫の自宅である。…そうなのよ、地震の後ってこういう非現実風景になっちゃったりするんだよなあ。膝から力が抜けるような風景ですよ、アレはマジで。「自宅近辺は逃げる間もなく全滅」ってだけで口の中イヤーな味するほど重いのに、その後死体安置所で二人を発見させるとはホンマ、スタッフも容赦ねェなあ、と思って見る。結局はホッとする結末を用意してあるのだけれど、先週からこっちもう、何が起こってもおかしくないからなー! もうなー!


何度か諦めようとするたび、弟のユウキくんが姉の手を引いてマリさんの家族を探させようとする。「お姉ちゃん、お願い」というその嘆願は、ユウキくんの状況を考えるとそれはもう、切実な望みである…ように感じられるわな。いや、これダブルフェイクでユウキくん生きてたらかなりビビりますけどね。あとまあ、仮にユウキくんがイマジナリーコンパニオンだとして、味気なく合理的に考えると、彼の主張はミライさん自身の心の声でもある、とも言えるワケで。「もう失うところを見たくない」ってとこか?


予告でクラッシュ症候群への言及。あー、ねー。


宙のまにまに・10話。今まで伏線として折にふれ言及されてきた、美星先輩の家族について。父はすでに亡くなっていたってことでまァ大方の予想通りではあるけど、それを知った部員皆さんはもうなんて言っていいか判んなくなるのである。繊細やなあみんな! 文芸部を巻き込んでの流星群観測会で美星さんを慰撫する、という流れであるが…これは多分、美星さん以上に朔ちゃんたちためのイヴェント、と見るべきだな。「彼らが美星さんの状況と折り合いをつけるための儀式」だ。…葬式ってのは、残った者のために行うものだから、ね。


そんでもってメガネ会長のデレ具合(とドジっ子具合)はさらに加速してゆくのでした。旅行のお土産を渡そうかどうしようかと一人行ったりきたりしている彼女が、なんかアレだ、かわいい。時間が経つほど渡しにくくなると「どっかで読んだ」なあとか、あーもうソレらしいなあ。


全体的に皆さん繊細すぎるチマチマ話なんだけど、それを正攻法の正面から描くことで「あーこういうノリの作品なんだな」と思えるような感じ、か。美星先輩の後を付けてって坂を越えたらぱあっと視界が開ける演出とか、夜中先輩の手を引いて学校に向かうシーンの「赤い灯青い灯」の絵とかね。あと、部長の方も順調にお付き合いが進展…してんだけど、本人のニブチン具合がねー。