進化の実験室、または何ゆえアレックスなのだ

●進化ってェのは、周囲の状況が激しけければそれだけ大きく反応するものである。静穏な環境であれば世代を重ねてもさほど差異はないだろうが、例えば大量で多様な捕食者が存在するなどの動的な環境下であればどんどんと適応変化してゆくだろう。このような進化を促す要因のことを淘汰圧(進化圧とも言うか?)という。


さて。ウチの風呂場近辺はそこに生息する蚊にとって、未曾有の淘汰圧が猛威を振るう区域となっている。その淘汰圧の主はワシである。ワシだ。他の動物どもは蚊にたかられてもちょいちょいと尻尾振ってしまいかも知れんが、ワシはそーはいかんぞ。草むらに隣接してて水っ気もあるので結構な蚊が出てくるが、ひとたびこの風呂場という閉鎖空間にてワシと出会ったが運の尽き。ユーキャントエスケープ、イヤーワーハイパーハンドスラップだ。アイドントルーズ。


…てことはですよ。あの辺の蚊どもは苛烈な淘汰圧にさらされているワケで、もう少々世代を重ねたら目に見えて進化した蚊になるのかしら。ワシの追撃をどんどんかわしてゆくような。追撃をものともしないような。いやそれどころか、追撃にカウンターパンチを浴びせてくるような、そんな蚊に。おおこれは恐ろしい格闘昆虫。多分階級はモスキート級ですね、ってそんなオチかよ!


●しかし何だ、ここにきてしっかり涼しくなってきたので、蚊の個体数はそれほど減ってないものの彼らの運動能力は目に見えて減衰してきたなあ。よろよろと飛んでいる姿はそれはそれで一抹の哀れさを感じさせるけれど、まァ追撃の手をゆるめる理由にはなりやせんわな。てことで蚊にとっての淘汰圧はいまだに高く保たれているウチの近辺である。そのうちB級SF映画みたいなビックリドッキリモスキートが出現すると思いますので、お楽しみに。アトイーズルーザー。