シャングリラ/マグニチュード/まにまに

シャングリ・ラ・18話。クニコさんのダイダロス殲滅作戦は大金がかかる。カリンお嬢さんにもそんな非現実的な金は出せんと言われるが、レンタルならばドウジャドウジャ、という話。脅威の変異植物を駆除するのに焦土作戦ってのは…うーん、どうも大失敗しそうな気がしてしゃァないねんけどなあ。カケラでも生き残られたら広大な更地を提供する結果に終わるワケだし、それこそ一気にダイダロスの極相化しちゃうぞ。


一方で人間関係の整理も進みつつ。中田姐さんは芳忠さんと(変わり果ててたけど)再会し、天子様とクニコさんの関係も表層に上る。「ビジネス」というキーワードでの話の転がし方はなかなかだけど、そないすぐ帰ってくるんやったら京田婆さんは家出をせんでも…と思ったりもする。ラストの五十嵐さんとの「取引き」はお互いに堂々としてて良かったけどね。


…あとはまあ、オカマさんに色々と教えてもらってるカリンさんの絵、か。カリンさんはすっかりいじられキャラですな。元々そういう素質はあったのでしょうけどねえ。


東京マグニチュード8.0・4話。お家への長い道程は続く。今回の危機は主に二つ、トイレと喧嘩、であります。…トイレなあ、確かになあ。ワシらのようなおっさんになれば少々の恥や外聞などどォでもよござんすが、多感な年頃の娘さんとなればねえ。簡易トイレを使うのをギリッギリまで躊躇しちゃうミライさんの心持ちは判らんでもない。…地味に簡易トイレの使い方が判る、という教育側面もあり。


そして姉弟の関係。周りは災害、両親の安否は不明という状況なら当然、不安や不信で気持がささくれてくることもあろう。ことにミライお姉ちゃんは弟くんと比べるとほんのちょっとだけ大人に近く、しかしマリさんほどには大人ではない。つまり一番心にダメージを負いやすい人なのだ。弟への八つ当たりの理不尽さは、そのまま未熟な自分への不満でもある。…ミライお姉ちゃんの言葉にあるとおり「言いたいことがあるなら言えばよい」、のだけれどねえ。そ、ちゃんと怒って泣いて、そして話すことが出来れば、ね。


あからさまな暴徒たちでもない、かといって完全に善意の人ばかりでもない「些細なヤな人」たちが妙にリアル。一応落ち着いている状況だからってのもあるんだろうけど、こういうイラッとするディテイルは何か日本的でもあるな。そういう細かさと「東京タワー崩落」という大状況が同居してんのも面白い。


宙のまにまに・5話。まァようある誤解とか偏見とか、あるいはそうでないものとかによって夏合宿の活動を制限される天文部である。これを回避するためには文芸部でもある会長メガネを攻略せざるをえない! てことで小姑のメガネ小清水さんをどうにかする話。…にしても流石は文芸部、メガネ比率が異様に高いな。前回より気になってた桃色髪のポッチャリメガネさんもそこそこ出番あってワシは割と嬉しい。


活動禁止されてメガネさん対策を考えて復活して再度どん底ヘコみして奉仕活動して、っちう冒頭のやたらにテンポのよいツカミから、絵に描いたようなチンピラ絡まれ・一人だけ離れてサンベイズしつつツンデレスキルを発揮するメガネ・手描きしおりで涅槃に旅立ちかける部長…とまあ、かなり盛りだくさんの展開ではある。しかし不思議にせせこましいとか立てこんでるとか、そういう雰囲気は希薄だ。んー、話の転がし方のディレクションが上手いんだろうなあ。


そして朔ちゃんは「言葉の星」という必殺ワードを掲げてメガネ小清水さんを篭絡にかかる。…そうねえ、やはり文芸部となれば天文との相性はエエわよねえ。星座を物語の総体、星々の繋がりを伏線と捉えるメガネかいちょの感想は多分、頭上の世界だけではなく今後の展開にも関わってくる要素なのだろう。満天の星の下、そのまま星空エンディングに繋げるヤリクチが小憎そいことだ。


ふーみんふーみん言いつつメガネかいちょさんに物怖じせずツッコんでゆく美星先輩がかわいくてよろしかった。幼馴染ってのは無敵やなあ。