バスカッシュ/大正野球娘/狼と香辛料

バスカッシュ! 22話。アイドルレッドと再会したダンさんであるが、色々と謎の処置を受けたレッドさんは彼のことを思い出せない。彼女に言葉は届かない…じゃしょっがねーな、バスケで語るぜ! ってことで乱入試合。ヤってるうちに体勢言語や小脳記憶が活性化されたんでしょうな、全てを思い出してイヤッフーなれど、メガネマネージャは「計画通り」とゲンドウ笑いを漏らすのであった…というね。


正直スジ自体は回りくどいことで、だいたいこうなるだろうなという流れそのまんまではあるのだけれど、バスケで交歓するシーンそのものはちゃんとワクワクするような感じに作ってはあった、かな。もうちょっとオーバーケレン味たっぷりにやっても良かったか、と個人的には思う。一方で序盤のコンサートシーンはまァ…それなりってところ。ここが目立ちすぎても良くはないだろうけれどね。


会場新入する際、釘宮さんのお姫様身分<プレミア会員証、という扱いになってるっちうギャグは良し。そんなもんだよね。あとフードが取れて、下ろした髪のままの釘宮さんがなんかかわいくて良かった。くるくるの横ドリル髪もエエのですが。


大正野球娘。8話。小梅さんに映画出演の話が降って湧くのだが、当然ながら周囲が盛り上がれば盛り上がるだけその栄光は結局萎むであろう、というオチが見えてくるのである。てことでまあ、基本的にはメガネさんの謀略に振り回された皆さんと、一人だけエエ感じのレコをゲッツしたメガネさんの話。いやあ、ええぞこの黒メガネ。頬を染めるな頬を。


映画主演かと思いきや飛び込みスタント要因でした、とまあ端正で誠実ともいえるベッタベタ話でして、映画館で当該のシーンになったら客席から「よッ! 十番小町!」と声がかかるという「節度」が割と好ましいと思いました。もうどーしよーもなくなって、顔に虚無の笑みを張り付かせたまま川に飛び込む小梅さんがそこはかとなく可笑しい。


何だかんだで小学生たちとエエ試合になってる皆さん。これで「魔球」とやらが身についたら勝てるようになるでしょうか。ま、小学生の先にははるかな道のりがあるのですけどね。…三郎さんとのアレコレも何とかしないとな。


狼と香辛料II・9話。相変わらずのお二人さんである。意地の張りあい言葉の交わしあい、犬どころか狼も喰わないイチャコラぶりがなんかもう、かってにせェであって微笑ましい。しかしホンマ、ロレンスさんはいっちいちホロ姐さんにやり込められては頭をかき、頬を染め、それでシマイ…このヘタレめ。中学生か。ドキドキか。ホロ姐さんも長生きしてると、却ってこーゆーのがエエのんか? そうですか、じゃいいです。


三者視線はほとんど無く、基本的にロレンスさんが見聞きしたのみで構成されている本作。新たな風景やキャラクタには判りやすい説明書きや補助情報が無く、そこにある雰囲気…何かよそよそしげな空気だったり温かそうな気分だったり、そういうものを農耕に感じさせるように作られている。だからパクロミ姐さんが「あんたのヨメ売ってくれ」と言ったときの「コイツ何を言い出したんだ」っちう違和感が結構ダイレクトで、なるほどある程度まで視聴側にキャラ構築を委ねていると妙なリアリティがあるわな、てなことを思ったりした。


あとまあ、郷土史家さんちへ向かうまでのあの路地。十字路だったり三叉路だったりで色々象徴的なシーンなのだけれど、ワシはロレンスさんの言う「使い古されたもの」への憧憬がよう判りすぎて困った。いや困らんでもエエが、暗くて古くて湿気ってて、見上げると明るく青い空が細く見えるあの風情がたまりませんでねえ。なかなか他の作品では出てきにくい雰囲気で良うございました。