銀魂/バスカッシュ/大正野球娘/狼と香辛料/咲/マジンガー

銀魂172話。レクター博士というかコン・エアーのブシェミというか、そんな感じのサイコパスっぽい囚人を真選組が尋問する話。当然ながら彼らの尋問は只管の空回りであり、勝手に勘繰って勝手に納得して勝手に自爆してシマイ、である。「(死屍累々の状況を見て)どうなってるんだ…」って全てあんたら自身のせいです。思いのほか素直なオチだったのはご愛嬌ですけどね。


いきなりの作者グチネタといい怒涛のケイン押しといい、ただの思いつきを光の速さで膨らましてスジとしているのがよう判る。エエことだと思います。それに乗っかるBGMギャグ、既存の曲にギリッギリまで肉薄するバカ音楽作るというフォーマットはもはや王道ギャグではあるなあ。人にもよるだろうけど、こういう作曲依頼は楽しい仕事ではなかろうか。ワシが作曲者ならごっつ楽しい。


割とどうでもいいが、冒頭の護送シーンのコブラもどきがなんかカッチョ良かった。あれってこの作品用に設定されたものかしらん。


バスカッシュ! 21話。なんかよう判らんが最終バスケ決戦(か、あるいは洗脳アイドルレッドさん)へと走り行くダンさんと釘宮の話。Aパートしばらくの、ちょっともたもたした各人のシーンは…まあ、状況のタメと世界観の大きさを表現しているものと認識しておこう。でもタルいっちゃタルいよな、と思ってたらダンさん女装やら釘宮ひん剥きやら何やら、適切な間合いのバカネタがツッコまれたのでワシとしては楽し。…にしても釘宮さんに下ネタ言わすってェのは業界の共通認識ネタなのですかね。きんたま。


そして確たる考えもないまま、ダンさんはルージュさんを発見するも彼女にバスカッシュリズムの反応はない。洗脳状態のキャラには目のハイライトが入らない、ってのが定着したのはいつくらいからでしょうねェ。カリ城の頃にはもうアリネタだったのかな。ここで自分の素性を明かし、新たな旅路に出んとする釘宮さんは素直にかっこ良かったな(蛇足の貧乳ネタも含めて)。…しかしそうなると、あくまで裏方として後景に下がっちゃったミユキさんが、ねえ。彼女だけどうもハブ気味の寅さんキャラやなあ。


大正野球娘。7話。「麻布八景娘戯」…読みは「ばっけい」ですか? 地獄ならぬ麻布めぐりの旅ですか? てことで、サブタイが匂わせる通り賑やかでバカチンなコメディ回である。まずトモエさんが横恋慕半分ヒット快楽半分(練習目的はφ)で夜な夜な「辻打ち」をやらかす、という設定はまあよろしい。良くないけどよろしい。んでもってそれを知ったアキコさんが制止するどころか対抗して乗っかって「辻投げ」をするだの、泥棒出てきてこんにちはだの、「寝不足だと幻が見える」ちうてるメガネさんの前を通り過ぎる泥棒だの…、とにかくテンポ良いベタなコントの釣瓶打ちが心地よい。面白かった。


何より、辻打ちでござると言われて芝居っ気タップリに受けてやる野球青年どものノリがエエわなあ。平和だ。他愛もないギャグ回だけど、魔球(あれはナックルかな?)への展開やスコアブックの登場や、ちゃんと話を進める要素を盛り込んできてるのが卒の無いことだ。…にしても小梅さん、モッテモテやな! 普通捕手は女房役なんだけど、ソコハカとなく「嫁と愛人の板ばさみになってるダンナ」っちう絵面に見えてきます。


カーブについてはよく知らないというアンナ先生。変化球のセオリーが日本に定着するのはもうちょっと先なのでしょうかね。…えーと、元々はカーブも「ひょっとしたら目の錯覚なんじゃね?」とか言われてて、米国のTIMEとLIFEがそれで論争してて、結局三本立てた棒をスラロームのようにすり抜けるボールを投げて「マジ曲がりしてました」と決着がついた…って話はどこで読んだんだったかなあ。あれっていつ頃の話だったんだろ。


狼と香辛料II・8話。相変わらず毛皮と関税のネタはよう判ってないダメちんなワシであってすんませんねえ。なので仕方なく出てきたキャラとかそのチョネチョネとかの感想になりますが、まァ別にそれでもあんまり問題はないよな。うんそう判断した。…てことでロレンスさんは、スカーフぐるぐる巻きで「オレ」口調でしたたかっぽくてパクロミ声のお姉さん商人とお近づきになる、の巻。


うーん、これまたエエキャラやな。さばけた性格が魅力的だが、さてこの「女性」なるものを他人事のように語る風情はどこまで真の性質なりや。ラスト、暖炉の炎ナメでアッツアツの二人の絵、ってのがどうにも不穏であってウフフですな。…こないだまでホロさんの浮気ネタだったので、しばらくはロレンスさんの女難ネタかな? 中途で出てきた酒場娘の危うげな色気も気にかかりますね。赤毛の女は情熱的、ってか。


原作ではパクロミ姉さんの「オレ」ってのはどう表記されてるのかね。「俺」か「おれ」か。「己」とかだとちと古風な感じでエエのだけれどな。ワシの勝手な脳内翻訳で「己」としとこか。うん。


咲-saki-・21話。個人戦の開始、である。清澄の皆さんは順調に勝利を重ね、他の選手からのマークを振り切って進みつつある。各々の性格がよく出た試合風景の描写が判りやすい。主人公の宮永さんが未だぽややんとしているのは、サブキャラを立たせるためでもあろうな。てことで、今回は部長さんとオッドアイさんの関係話をメインに、ってとこですかね。


この二人は風越部長からの一方通行…っちうか、ただ単に清澄部長が忘れてただけなんですけれど、そういうアンバランスな関係性ってのは色々とドラマも作りやすいっすね。てっきり「実はちゃんと覚えてたよ」っちうネタかと思ってたらホンマに忘れてたは笑いましたけれど。「話したいことがあった、話してほしいことがあった」という風越さんは、しかし今は勝負だと前を向く。麻雀で話せばいいのだ、語ればいいのだ。っちうまさにそのタイミングで「あー思い出した」とヤる清澄部長は天然ジゴロっぽいなあ。そら、惚れるわ(百合的にもそれ以外でも)。


…ちうか、男子の試合もちゃんとやってんのな! 競技人数もずっと多いのな! 当たり前のことだろうけど、ひょっとして「女子しか麻雀しねェパラレルワールド」とかいう線もアリか、とか思ってたので。男子は男子で見てみたいし、スピンオフも…ってそれじゃ普通の麻雀マンガか。


●追加で、真マジンガー 衝撃!Z編・22話。半分ほどは総集編でのお送りである。今川監督の作品に精緻な伏線構築とかはワタシあまり求めてないので、過去の話を再認識してどうこう…ってのは無いのだけれど、やっぱ単純に見栄えのするシーンを連鎖してあるのはカッコ良いわな。「その名も」連呼とか、真骨頂やねえ。


後半はヘル軍団がまたぞろみんなで襲ってくる話、の発端。舞台設定や作戦の変化があんま無いのはともかく、ブロッケンに続いての「機械獣・あしゅら」はエエよなー。襲い来る軍団長たちの顔がお空に浮かんでるシメの絵といい、ちょっと泥臭くもバカチンなパワーのある演出である。…ま、基本総集編だし、そんなとこか。