銀魂/バスカッシュ/大正野球娘/狼と香辛料

●…んー、かなりバタバタっちいので省力感想にしたかったがそうなりませんでした。ああ、貴重な睡眠時間が時間が。


銀魂169話。敵の本陣に攻め入るご一行だが、当然ながらテメエソックリの存在とは折り合いが悪い悪い銀さんである。かたやイケメン正義キャラ、こなた昼行灯怠惰キャラながら「あー、根っこは一緒なんだなあ」と判る演技の峻別がなかなか見事、流石の杉田さんですな。これで毎度の人情系エピソードへと進む下地が出来たって感じですか。


斃すべき敵の姿が守護すべき主の姿となった故に動けない、ああどうしたらどうしたら、っちうとこで迷い無く対象を蹴り飛ばす銀さんの行動。もはやこういうオチに於ける様式美、と言えような。多分みんなある程度期待していた絵面であろう。…あと、トッパナはWIZネタで押してたのに結局はドラクエネタになっちゃうのはしょうがないか。まーねー。


バスカッシュ! 19話。Aパートはセラお嬢さんのじいやたちとの対戦である。彼らなりに長い人生を過ごし、それ故にまだ将来のあるセラさんの今後に希望を託す。テメエ勝手だけど押し付けもしない、という何だか物分かりが良いような悪いような…まァ、作劇上便利なジジイキャラって感じではあるな。雰囲気の良いジジイどもだけど、ロッソビアンコという名前は赤白だとして、ギャンゴってのは何だろう? 脳波怪獣?


Bパートは妹さんの視線からの総集編。達観した位置から「拒絶することしかできなかった」という思慕の情ってのはめんどくさいよなあ。そんな感情をあの単純バカ(良い意味でも悪い意味でも)のダンさんに投げかけざるをえない彼女の境遇も複雑ではあろうけれど。…しかしまあ、1話2話辺りの作画っちゃァカッコエエわな、ってそれは言わない約束ですか。あと、最近の行動パターンで忘れかけてたけど、初期のシャボン兄さんは確かにイケスカネエ感じだったね。そうだったそうだった。


大正野球娘。5話。なんかよう判らんツテでユニフォームも揃い、本格練習開始の面々である…ってまだ一名足りないんですけどね。パツキン先生の「人数揃うまで基礎訓練ですよー」っちう言葉に戦慄し、早いこと人員の充足を図らねばと奔走する小梅さんたちなのですが、いやあ…基礎練習怠ると痛い目見るよォ。覚悟が足りぬよォ。てことで、やっと九人そろってからも走り込みは終わらせない先生は正しいのであった、という。


最後の一人は、メガネさんの思惑と陰謀により「足の速い人」である。陸上部ながら計時記録の芳しくない彼女だが、メガネさんはこれぞ野球向きの脚よと看破するワケだ。貴方にとって陸上の100mは長すぎる、野球塁間の超短距離ならば誰にも負けぬぞ…とね。なるほど、こういうキャラ付けは面白い。最後の参入者となればキッチリキャラを立たせとかんと埋没しちゃうしね。しかし何だ、一年生は「アンテナ付き」っちうお約束でもあるのかしらん。


あまし知識がないのでよう判らんが、あのユニフォームは時代的にオッケーなんですかね。「脚がすうすうする」ちうてたし、微妙にはしたないカッコなのかな。にしても、ロゴも模様も入ってないシャツのおかげで各人胸部の「戦闘力」がよう判ります。流石にアンナ先生は強力じゃぜ…。


狼と香辛料II・5話。商売人の最大限の表現である「積荷」としてのホロさん、である。うはー物にたとえるのかよ即物的ィ、っちう表現だが却ってソレらしい雰囲気を付与してはいるなあ。商売の手練手管(正直ワシはイマイチ理解してないのだが)を全てホロさん奪還に投入しつつ、でもここぞという交渉時では相変わらず頼んないロレンスさんが毎度ながら情けなくも微笑ましい…って微笑んでちゃダメなんですけどね。


てことで、上記の如く経済・商売的なギミックは相変わらずピンと来ないまま見てるワシですが(文字を追うメディアならまだ何とかなったかもねェ)、向こうさんもこういうバカちんが視聴していることは承知の上なのであろう、要所々々でスパンと決まる明快な演出のおかげで楽しく見られましたよ。ええ、楽しけりゃ何も問題はないのです。ええ。


例えば錬金姉さんに渡りをつけるゴツ兄さんとの会話にて、急所となる台詞を述べるまでに環境音がぐぐっと高まるシーンであり、あるいは錬金姉さんの館にて扉の隙間からちらと見える手招きの仕種であり、はたまた館内部では姉さんは月夜の青い光源、ロレンスは灯火の黄色い光源で統一している画面構成であり。そういうキッチリしたインフラの整備の上に、小山力也さんが「商売を越えた存在としての相方」でしょうと喝破するシーンが立つワケだ。その物語において主役であることに怯むべからず。…じゃないと貫禄負けするからね、ってすでに負けかけてるロレンスさんだが大丈夫か。


敵である千葉紗子のアマーティさんがちゃんとエエ人であり、「ああ確かに白馬の騎士だわ」と思える、っちう脚本に何となく真摯さを感じる。うん、こういう勝負はよろしいな。…無論、ドゲスい野郎をコテンパンにノすような話もエエですけどね。