マジンガー/化物語/ザムド/ハガレン

真マジンガー 衝撃!Z編・23話。あしゅら男爵の侵攻とその覚悟の巻。冒頭からまた、この作品らしいしょーもなくもおおらかなえろネタであって何か頬が緩むなあ。Bパートのデビルマン風呂(なんつー意匠だよ)におけるエロコメ展開も、アクシデンタルむき出し股間押し付けにまで至る…という屈託のなさがなんともかんとも。絵柄の意図的な古臭さが却ってさわやかではありますな。


なんかはだか話しかしてないが、閑話休題あしゅら男爵が負けても負けても戦いを挑んでくるそのモチベーションは、他でもない兜甲児の存在そのものですよ、という。この「敵こそが生き甲斐」というパターンは普通に燃えますな。今回お披露目のビューナスがあっちう間にヤられちゃうのはちとアレだが、それでもちゃんと見せ場をもらいつつ機械獣あしゅら男爵を立てている構成が律儀。


ラストは朝日の中、罠だと知りつつ敵の群れの中に歩み去るマジンガーの絵でシメ。美しいねェ…うーん、古き佳きヒーローモノ、っちうか時代劇映画かしら? よう知らんけど。


化物語・8話。OPはカンバルさんバージョン、クールで透明感のある色使いと対象両断という絵面のギャップ、っちう病んだノリは健在ですな。沢城さんは流石に慣れたものだ。…てことで、カンバルさんアークの最終話、である。「お人よしがひたすら自己犠牲と受難に耐えてたら報われました」というまあ、毎度ながら素晴らしくオタ的な快楽原則に溢れた話運びであって清々しい。うーん、普通ならもうちょっと遠慮したり言い訳したりと「逃げ」るものだけど…堂々としてんなあ。わはは。


対カンバルさん戦闘の一発目の絵、彼方から異形の動きで一瞬にして間合いをつめてくる作画が実に見事。ああこれは良い緩急だなあ、と思って見てたら臓物使ってジャイアントスイングとかやり始めましたよ? 地上波でようやるなあ。ギリギリ…アウトっぽいような気がするが。上記の自己犠牲な要素もここまでやれば十分なネタとなろう。純粋に目を引かれる作画だったってのもありますけれど。


あと、エフェクト等なしで獣のような狂乱声を演じてた沢城さんは、先週に引き続いての敢闘賞ですね。前も言うたが、こういう突出した演技ってのはヤってて楽しい面もあるんだよな。しんどいのはしんどいけどね。


亡念のザムド・21話。おっさんどもが軽いノリで決死行に赴く話。いや十分に重く硬質な決意と行動なんだけど、ちょいとお花畑なBGMとか仲良し腐れ縁な同期の関係とか、そういう要素によって何やら日常的な行動に見せている。ヨメに残した置手紙の内容といい、いわばそれは野郎のダンディズムの発現ではあるのだが…ヨメにとっちゃァただ、青臭くガキ臭く甘ったるいだけの自己満足である。言ってくれたらいいじゃん! バカチンが! …とまあ、ひっくるめての夫婦ですよ、ってことなのだろう、かなあ。ちゅー一発でで落ちちゃったけどね。


そして中佐は平衡を失いかけている。普段レベルヘッドな人が一旦崩れると脆いからねえ。来週はおっさん同士の対決がクライマックスか? …主役だと思ってたアキユキさんやナキアミさんのエピソードが今んとこ地味だからなあ。


男どもの非日常を示すアイテムとしての銃。対照的なヨメの強固な現実との繋がりを表すものは…まああの弁当なんだろうけど、ワタシはそれと同じくらい「あ、エエな」と思ったのがサンダルですな。ホンマ、とるものもとりあえずでやって来た、っちう感じモリモリなサンダル履きのカラコロ足音が良かった。


鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST・22話。ありゃ、知らんうちに一話飛ばしたみたいだな。まいいや。てことで糸目兄さんが戦略的撤退を決意する語り起こしに、三宅健太のスカーさんがその圧倒的な決意とともに兄弟たちに迫る話。スカーさんの回想シーンは虐殺殲滅死の嵐、戦争というあまりといえばあまりにも非日常な世界の理不尽さがよく出てて衝撃度は高い。


個人としての「コード」とはまったく異なる団体/軍隊/国家のコード、それが市民個々人に覆い被さる時に大きな歪を産んでゆく。そらまあスカーさんのあんな非情行動も判るわなあってなもんだが、しかしスカーさん自身がその「軍隊」側と同じ立場にもなりえるとしたら、どうか。割り切り覚悟して行動するのか。スカーさんにはその認識があとわずか、足りなかったってこってすね。そのギャップこそが人間性なのであろうけれど。


今回は「手」の物語でもあったっすね。生み出す道具、破壊する大槌。抹殺せんと敵意もて構えられる刺青の手、慰撫のためにそっと添えられる鋼の手。それらは同じ「人間の手」である。モチーフの絞り方が上手くて、テーマの提示も判りやすかったな。あと三宅健太のボロボロのスカー演技が印象的でした。