シャングリラ/マグニチュード/まにまに

シャングリ・ラ・19話。東京殲滅作戦開始、ダイダロスとともに焦土と化す関東平野である。…むー、何だか「自然を甘く見ている悪役」みたいな大雑把なやりかたであり、無茶なヤリクチのおかげで却って「確かにのっぴきならん決意なんだろうな」ってな感じはする。どちらかと言えば炭素指数の跳ね上がりのためのギミックなんだろうけど、でもなあ、やっぱ「あとの更地にダイダロスがちょいとでも入ってきたら…」っちう風に思っちゃうなあ。実際アトラスにはまだ残ってるしねェ。


自らの手でドゥオモの決着をつけるクニコさん。確かに大概な覚悟やないだろうし、また炎の中に失われてゆく懐かしき場所の絵にもちとクるものはあったけれど、少々大仰な演出だったかもしれん。いや逆か、ワタシの方にそれほど思い入れが出来てなかった、ってだけか。避難所での生活に京田尚子の詔をかぶせるシーンとか、ダラダラと見てた身にはちと「過剰かなあ」と思えたりした。ま、多分コレは見てるこっちの問題でしょうけど。


東京マグニチュード8.0・5話。避難所としての中学校舎。見慣れた日常風景が非日常に塗り込められて戸惑うミライお姉ちゃん。炊き出しのテント、へたり込む人々、そして講堂の物言わぬ亡骸たち。そんな状況で働く人々に畏敬の念を抱くミライさんであるが…という。


今まで間接的にしか描写されていなかった、災害による死者たち。ボランティアのお爺さんは孫を亡くし、それを埋め合わせるかのようにただ他者に尽くす。呼び寄せたのは自分だとは言え、誰に…何に責任があるワケでもない理不尽な事故。穏やかに穏やかに語られる「死ぬべきは私でした」という言葉の置き方が見事で、演出と青野武の演技が実に冴えてました。…ショックでちょっと飛んじゃってるお婆さんが、常に照明の逆光の中から話してるのが微妙な異質感を醸し出してんなあ。


彼ら老夫妻のお孫さんの亡骸に枕元に置かれた飴玉とか、入学時の回想の転んで不機嫌な母親とか、些細なディテイルのリアルさが上手い。こういう何気ないとこでハッとさせられるんだよねえ。…あとこの流れに実にそぐわない感想ですが、マリさんの白いタンクトップ姿の妙にリアルなちちのシルエットがエエなあと思いました。ええ、健康的なたれ方だと思いました。我ながら最低である。


宙のまにまに・6話。イケメン大人の顧問先生が大登場、彼は美星先輩とは旧知の仲であってなにやらベタベタと…はしてないのだけど、とにかく朔ちゃんにとってはどうも心休まらないことである。自分の知らない人間関係を持っている美星さん。表面上は「どってことねェよ」と言う朔ちゃんではありますが…という。


これまで色々ありつつも緩やかな変化しかなかった彼らの関係に、かなり大きな応力が発生する話。一番大きな要素はイケメン先生なのだけれど、またこれがタイミングエエというか悪いというか、メガネ小清水さんがものすげえど真ん中ストライクな風情でデレてきたのが「最後の一押し」だったですな。…ん、朔ちゃんのアテツケ気味な行動は若い/幼い/青いのだけれど、いっぺんこういう形で顕在化せんことには進展もしないだろうしねえ。てことでヒメさんはもっとがんばれ。もっとがんばれ。


二学期デビューしたり不安定な朔ちゃん見てそわそわしたり、あのクラスの人々はおしなべてかわいらしくてなんかエエな。楽しそうなことであってよろしい。