シドニア/ピンポン

シドニアの騎士・7話。連結型巨大ガウナの討伐に、シドニアの騎士たちは失敗する。結果、なんとか皆に受け入れられつつあった谷風さんの評判は失墜、仲間殺しのヘボ野郎として石投げられたりするのである。いかにフラグ立てまくりだったとはいえ、星白さんまで無残に失ってしまうという大失態。原因はっつーとですね、これがやっぱりノリオさんでしてね。今まで積み上げてきた自身への評価を谷風さんにかっさらわれたからって、多大な犠牲を出してまでそないな工作したらあきまへんやろがい。うへへ、これはまた実に「表面的」で判りやすい仲間内の悪役ポジになってきたなあ。…櫻井さん、なんかそういうキャラがはまりますね。似合うぞ。

ウジウジキャラでこそないものの、どちらかというと普段は草食系っぽい谷風さんであり、こういう事態にも太罰的になれず内にこもりがちになるのはしょうがない。そんな彼をケアしてくれるヒ山さんとかイザナさんとかの存在はありがたいことだ。いつの間にか司令補に大抜擢されてたユハタさんも彼を気にかけてるようだし、艦長は艦長で何かありそうだし、なんかこう…擬似ハーレムを形成しつつある途上って感じがするな。そこで星白が死亡退場ってのは、ある意味ヒロイン概念的に最強のニッチになっちゃったと言えなくもない。いや、まだ判らんけどね。なんか星白機のガウナがいっぱい出てきたし! 中にまた、星白の劣化コピーみたいなガウナが座ってたりすんじゃないだろね。そら辛いぞいろんな意味で。

回想に登場の谷風のじっちゃんに小山力也。あーこら強キャラだわって感じのする、ピンポイントキャスティングとしては効果の高いヤリクチではあります。実は生きてたとか敵になってたとか、そういう流れがあっても問題ないよね。いや敵になっててほしいワケじゃないけどさ。ミイラだったし。

●ピンポン・7話。冒頭は部員たちと一緒にドラゴンのCMを見てるチャイナから。つーかCMのノリがおもしれえ。ちょっと古臭いのはポセイドンというメーカとしての限界か、あるいは監督の趣味か…趣味だよねこれ。んで本編は再度の大勝負祭り、インタハイに向けて各人がその立ち位置を再構築する話。具体的にはペコの再起、スマイルの一旦の凹みと復帰、ドラゴンはそのまま辛い道を歩み、チャイナはいささかモチベーションを失いつつあるように見えるがまだ判んない、あとついでに真田さんは恋愛負け野郎としてとてもキレイな砂上の楼閣を積み上げつつある。…うん、しょうがないよね。何たってまだスポーツ馬鹿の高校生だもんね。声が浜田賢二でシヴいのがギャップで余計に辛いけどね。うん。

一応話の中心あたりにあるのは着々と上りつつあるペコなんだけど、やっぱり影や起伏のあるその横の人々のほうが面白いっちゃ面白いよな。誰も内面を判ってやれない、小泉先生でさえ掴みきれてないスマイルの心象。ココロからぶっつかることでやっと胸襟を開いてくれたスマイルに、小泉先生は自分の過去の傷を語る。…この「友人の膝を試合で攻められるか」のモチーフは、そのまま今のペコの膝で再現されるんだろうなあ。あとスマイルが転換するキッカケとなる台詞「…どこへも行けませんでした」の内山さんの演技がとても良かった。ちょっとした感情の乗せ方が満点です。

そしてドラゴン。部と学校どころか、家族まですべて背負ってただ歩んでいるという…これはなかなかキツいものがあるなー。なまじ強い人物であったがために、ねえ。エエ人であるのは間違いない川澄声の彼女さんの存在も含め、彼はもう社会的にがんじがらめなのだな。早めに負けといた方が最終的な損傷は少ないだろうけどね。そうもいかんわ、これ。

あーあと、ちょいと丸くなったスマイルさんが太田キャプテンと新ボールで試し打ちするシーンがほのぼのと心にしみてよろしかった。太田さんまで話として掬い取ってくる脚本が優しい。やっぱエエ話やよね、この作品。