キャシャーン

キャシャーン Sins・3話。なんだかカッチョエエ小悪党が出てきて死ぬ話。キャシャーンはこの軽い男としまらくの間旅をともにする。彼は「人」であり、つまりまあ、元から「滅び」属性を持った存在なワケだ。その上結核っぽいので彼には余計に死の影がつきまとう、のだが。


喰わねば死ぬし喰ってもそのうち死ぬ、ロボットに比べると実に効率の悪い存在たる人間。でも、その要素はこの小悪党をして自らを誇る要素となりうるのである。そ、ムダや矛盾こそが人の本質なのよねェ。ロボットは人に似せて作られたのだろうが、無駄を省くことでその本質を失った…ってことだろうか。ま、こういう紋切り型の「寿命礼賛」は、イーガン辺りに笑い飛ばされたりするのではあるんですがね。逆に言えばまだ「笑い飛ばすべきだ」という意思が働くほどに重要なタームなのではありますが。


…いやあ、今んとこフッツーにこの陰鬱な精神的世界を楽しんでますよ? も、いいや。このままウジウジした作品であれ。楽しめる限りつきあちゃいます。でも飽きたら止める。


相変わらず印象的な作画は衰えなくてそこはホンマに評価してよろしいと思うが、それ以上に今回ゲストの「人間」アコーズさんの演技がまたよろしかった。さあて…このカスれつつ存在感のある声はだれだっけ? としばらく考えてやっと判りましたよ。そうだ、蟲師のギンコさん、中野裕斗だ。聞けば本来は俳優さんであるらしいが、飄々とした台詞回しといい「俺は一体何なんだ!」という叫びの「置き方」といい、あーこれは演技人だなあというパゥワーがあって引き込まれたりしました。