キャシャーン

キャシャーン Sins・21話。ルナは確かに癒しを与えるが、リンゴにはどうも彼女の存在に歪みが感じられてならない。沈まぬ太陽、枯れぬ花。それは本当に癒しなのだろうか? 自己破壊衝動に身を委ね、翌日には再生していることが健全なのだろうか? …そんな欺瞞の救いだろうとも、死ぬよりはマシだ。疑問は永らえてから改めて考えれば良い。というまあ、そんなオージの変節話。そら身近にいる者が滅びるとなれば、思想云々言うてられんわなあ。


以前は死を振りまいていたというルナ、今は生命を与えているルナ。ラベルとしての行動とは各々の雰囲気が逆なのはこの作品らしいヒネクレ方ではある。一見善悪を超越した存在のような現ルナではあるが、去らんとするキャシャリンに「待って」と声をかけるトコ見ると、この人にも何らかの「内面」が垣間見えたりはするな。


後半のアクションは今までとは逆に、贖罪としてか痛めつけられ続けるキャシャーンの絵。なかなかに容赦の無いヤラレっぷりで様式的な美しさもあったりしたり。原画見るとおお、木村圭市郎とか居てはるやないですか。このオッサンもすげえなあ…。そんな人と田中宏紀が並んでるってのも、またなんちうかエエっすねえ。