●なんとか日付が変わる前にウチに帰れたのでアニメ見る。マクロスF、最終話。錯綜してるようで割と単純にもってった構造で、確かに考えてみればゴチャついてんのは戦争の大勢ではなくて人間関係の方でした。ならばエイヤでねじ伏せようと思えば出来ますわな…とは言い条、この盛り上げ方は手馴れたものだ。
とにかくあのラストバトルと全曲メドレーを重ね合わせた展開は、脚本から構成からそーとー練り倒したに違いあるまいよ。二人の歌姫の声を聞くことで、ヴァジュラさんたちが「個」とは何かに目覚める…というシカケがSFでしたなあ。全でなければ双。そっから先は一気呵成、ってワケだ。
絵的にはまずあのシェリルさんの歌ダンス、アレはホンマ、媚びと可愛げと大人っぽさがない交ぜになった感じでファン大満足でしょう。それとダイダロスアタックもどきの蜘蛛の子ミサイル、CGなのに微妙にヨタった白線が実に雰囲気で感心したりした。あとはグレイスさん。最期の表情が妙に思わせぶりで何度か巻き戻してしまった、ことも然りながら、ネットワーク化して素っ裸になってもメガネは手放さない心意気がよう判らんがすごいなあと思った。
総評。十二分に面白かったと思う。何より、初代当時はイロモノながら今となっては王道の材料を使ってここまで楽しい物語を紡げたってのは…うん、これは労力の賜物ですよ。どっか異形な一点突破アニメの方が作りやすいしワシらも語りやすい。確かにいろいろとフックはあるものの、全体性で勝負しようとする意思が感じられたものだ。そこがよいではありませんか。
ま、しかし欠点なしとはしない。お話の素直なピークが前半早々に来てしまって、後の展開がどうももっちゃりしちゃったのは残念な要素。特に後半は前半のような「素直な目標」が希薄だったおかげでワリ喰った感はアリ。ギッチリ詰まった人間関係のネタは堪能できたので、もうちょっとだけバカっぽい判りやすさがあっても、とかね。ゼエタクですかね。
でも、ま。ライバルシリーズのガンダムさんが、個人的にはちょっと袋小路気味なとこに入ってる感じがするので、このマクロス続編は「どうじゃーい、これがマクロスじゃーい」てな鼻息が感じられて良かったっすよ。駆け足気味ながらシッカリと雰囲気を出したあのシメ方も良いし、消化不良気味な要素も今後の展開のステップと考えれば…
って映画かい！ んー、そういうのもアリでしょうけどねえ！ …どうかなあ。
