ボーチボーチベンチでささやく

●ここしばらくちょっと気になっている単語がある。それははるか大昔、ワタシが幼児小児の頃に聞いたものである。んーとっすねえ、幼少の砌のワタシが夕方遅うまで外で遊んでたりしますわな。すると家族の者が「もうそろそろ帰りましょ」ちうて家に連れて帰りますわな。そういうときに婆ちゃんは「早く帰らないと「ボーチ」に連れて行かれる惧れがある」旨警告を発していたのでありますわ。


まァようある子供の躾文言ではあるんだけど、さてこの「ボーチ」なる単語がちいとも判らない。今の目から見ると誘拐魔か妖怪か、の名称のようにも思えるが、当時のワタシは何となく「ボーチという場所に連れて行かれるのだ」と解釈していた。就学前のバカチンガキでもあり、まさかに「某地」などという漢字を思い浮かべていたとは思えないが、何故か場所だと思ってたんだよなあ。何でだろ。


…どなたかボーチを知ってるとか、はたまた類似なことを言われたとか、そういう方は居られるか。居たらワターシニレンラクシテクダサーイ。ドゾヨロシク。


●そういや唐沢なをきの「カスミ伝」の人形劇パロディ話に人攫いが出てきてたな。唐沢さんはとにかく古臭ェ知識素養が有り余ってはる方なので、そこここに古臭ェ表現とか出てきて楽しいのであり、例えば怪ロボットを壊されて「まどうてくれまどうてくれ」と訴えかけてる悪役さんとかエエ感じなんだけど、上記人攫いが子供を誘拐するときの掛け声(?)ってのが「甘いお菓子喰おな、甘いお菓子喰おな」なのであった。…原典元ネタは見たことないが、ああ、いかにもありそうな定型文じゃないですか。昔は子取りってのはこう言うもんだ、と思われてたんだろうなあ。