鉄腕バーディー/狂乱家族日記

鉄腕バーディー DECODE・最終話。リュンカの発現を止められるのは千川くんだけ…ではないかもしれないが、でも「中杉さんを救える」のは彼しかいない。中杉さんともリュンカとも「ずっと一緒に居てあげる」と約束する千川くんの言葉はある意味、間違っていない。リュンカとは封印までの活動期間の残り全て、中杉さんとは…彼のことを覚えている期間の間全て、において。そして彼は二度死ぬ。…てことでまあ、バーディーさんとは元の鞘に収まりました、とね。


大枠としての物語は一段落、されど暗躍する人々はその立ち位置を変えず…という。デカい存在に木の葉の如く翻弄されるゲンバの人ってなモチーフよね。ま、そんな高みとの対比があるからこそ、現地蛮族である千川さんの自己犠牲(のようなもの)が胸を打たんとするワケだ。あんなけチョネチョネしといて記憶喪失でチャラ、ってのも定番でエエっすなあ。…あと、またトンデモネタかよと言われて「まァね」と流せる藤原啓治もエエキャラだ。


流石最終回だけあって絵的にはかなり満足。相変わらず明と暗の使い方が変態的に上手い水エフェクトにうひょうひょしたり。…船の辺りのはあれCGかな? まいいや。あと、ジャンプして下りてくる辺りでのバーディーさんのちちが良かった。なんかこう、上に引きずられ気味な感じの、こう。ねえ。


総評。カノンではなくて外伝扱いの1クール作品としてまとまってたンではないでしょうか。ワタシは原典をそれほど知ってるワケでは無いが、まー確かにこんな感じなんだろーなーという雰囲気はよく感じられた。ちゃきちゃきっとしたバーディーさん、リクツ先行ながらヤる時ァヤる千川さん。ムチャな勢いがあるじゃないが、いかにもゆうき的なキャラもソレっぽい。赤根監督の作品はそれほど見込んでないんだけど、ノエインに繋がる「青くて若い」感覚がよくゆうき作品に合っていた、と思う。


…にしてもあの「宇宙編」はちょっと余計だったかなあとは思いますけどね。指摘されて知ったけどあれ、ブチさん脚本だったのな。そー言われたらいろいろ納得したですよ。


絵的には…んー、ゆうき作品をこんなゴリゴリ動くアニメで見られるとはちょっと思わなかったもので、その点において結構インパクトはあったなあ。ドハデでゴージャスな作風ってワケではないのでその点セールスには苦労しそうだけど、売れて欲しいものだ。続編とかね。でもラストの「続く」の言葉は、即続編ってこっちゃなくて「このバーディーシリーズをこれからもよろしくね」って意味でしょうけんどさ。


狂乱家族日記24話。水っぽい人たちの話はひとまず置いといて、いきなり出てきた元従者さん…って、この期に及んで新キャラですかあ。いや、原作的には普通のテンポだろうけど、アニメとしてはもうじきオシマイだからなあ。てことで舌っ足らずな露出狂っぽい女性が出てきて剣の舞してオウカさんを殺しかけて、んでもってその裏では最終回っぽい下地が出来つつある話。相変わらず忙しいことだ。


この従者さんの嫉妬(だか何だか)を受けての父と母の行動はちとよろしかったかも。キョウカさんの「神様だって愛は欲しいのだ」も然りながら、キョウカさんを相手に夫として、あるいは父として振舞うオウカさんが肝でしょうかな。思えばキョウカさんって、自己中心的でエーカゲンながらちゃんと自覚的に母/妻として振舞おうと努力してきたのであった。その一方オウカさんは、状況に振り回されがちだという点を鑑みても少々その自覚に欠けていた、のかも知れない。…いや、誰だってあの状況では自覚に欠けるとは思いますけどさ。うん。


後半の錯綜具合はまあ、どうせ力技でどうにかなっちゃうだろうから気にしないや。みんないろいろがんばれ。