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RD 潜脳調査室6話。ミナモさんの本をめぐる冒険。最後を読者の手に委ねることで完全となる本…ってのは実際にありそうなギミックで、何となくレムの「完全な真空」辺りにも出てきそうなアイデアだんな。ミナモさんが読書感想文のためにその「委ねられた最終ページ」を追い求める軌跡が良い。引っ張って勿体つけてやっと明かされたそれは、そのタメに値する一文だった…と思う。結局ハルさんの元に戻ってくる話が都合よくも美しいじゃありませんか。「私はほんの少し眠っていただけ、なんですがね」。んー、やっぱ教科書的だよな。


読みながらハッと身を強張らせ、ティーカップを手探りするミナモさんがヨロシな。そ、「読むこと」を蔑ろにして本の存在は語れない。それは稀覯本マニアだろうが図書を司る者だろうが同じことだ。…ワタシにとっては、こういう描写こそが「本を描く」ってことなんだけどな。


あと、ミナモさんの話を聞きつつ顔を見合わせるハルさんとホロンさんの絵が良かったな。ほほう? てな表情をわざわざ作るホロンさんのAIに割と惚れる。あーあと、ソウタさんと会話するシーンのミナモさんの横顔、リップシンクに近いほどの喋りパターンで作画されてて地味ながらスゲかったです。