マクロスF/ドルアーガの塔/狂乱家族日記

マクロスF・6話。マクロス出航までの下準備話。てことでクライマックスはその出航シーンということになるんだが、これがまたこれがまたものすげえ王道なんだわ。故郷を失った(かもしれない)歌姫の声をバックに、わしのマクロスが巨体を揺るがせて宇宙の大海原に今旅立つ。ああ、あまりに剛力な「お約束」の嵐にもう体がねじ切れる。そのまんまEDになだれ込む構成も心地よい。んー、好きだ。


今まで散々っぱらベタだベタだと言い募ってきたが、ただそれだけでは足りないですよなこりゃ。このひねくれたご時世、毎回々々ここまでのがっぷり四つで腰の据わった大芝居を作り上げるってのは大概なパワーとエネルギーが要りそうな気がする。かなりめんどくさい作品制作方針だと思いますよ。そしてここまで丁寧にキャラの描写を積み上げてきたってことは…ああ、オズマさんの「みんな生きて帰ってこさせる」の(ある意味不穏な)台詞といい、バカンと落としちゃうんだろうかなあ。


…あ、お約束で言えば「恋人のよすがの品をコクピットに飾るパイロット」というネタがすんばらしくお約束で良かったっす。イアリング受け取った時からTVの前で「飾れェ〜飾れェ〜」と念じてた甲斐があったというものだ。


ドルアーガの塔 〜the Aegis of URUK〜・6話。こないだのバカ話とは趣を変えて、ジジイとガキの因縁話でご一席。この作品の毎度の例に漏れず薄味の演出なもんで、「ちょっとエエ話」としては喰い足りない疎外感が残りますな。それでも「話のコアとなる男を最後まで直接描写せず、その父と子からの視点のみで彼の姿を描き出す」という凝り気味な語り口は面白かったです。どんどんと弱ってって「あ、こりゃ死亡フラグか?」と思ったジジイが、ラスト包帯ぐるぐる巻きで手を振ってたというホッとするスカシも割と好みではある。


モンスターに襲われて塔途中の町に這う々々の体で辿り付くご一行だが、んじゃこの町の人たちはどうやってここに来たんだ、てな疑問はこういうとき毎度思うよね…って、ああ、モンスターの脅威激化はアヌの夏のせいか。じゃいいや。


狂乱家族日記4話。新婚旅行という名の家族旅行に行く話、と見せかけてまだ行かず、旅行代理店で客と職員が延々と悪ふざけするだけの話。ん、これは素敵に内容が無いのであって楽しい。願わくばもうちょっとだけ「狂乱」のノリが欲しかったとこだけど、そこまで求めるのはゼエタクというものだろうかしらん。…ちうか、前回までのものすげえ悪役服から華麗に変身のチカさんにビックリした。本当に記号頼りの作劇法なのな! 割り切りが凄いや。いや、これも誉めてますよ?


キョウカ様を相手にして一歩も引かず、防御というよりは合気的な受け流しでずんずん話を進めるメガネ支店長補さんがかなりエエキャラだった。動じないなあ。方法にちと問題があったとは言えあそこまで大掛かりなプレゼンができる支店長といい、この店って結構なパワー持ってはるんと違う? いや、あの支店長それほど悪くないよ? 頑張ってたし。ねえ?


という本筋とは関係なく、もふもふしてる花澤香菜が狙いどおりにかわいかったのでよし。しかし花澤さん、どんどん上手く…ちうか「アニメ声」になっていくなあ。