結界師/カイジ

結界師47話。松戸博士と白い男の確執というか恩讐というか愛憎というか、そんな話で30分のほぼ番外編。主人公達は出てこず、ただお互いにマッドであるジジイ(と元ジジイ)の間でのマッドな過去の因縁が語られるのみである。


…うーんこれは、少年誌ベースの原作としてはかなりステキな歪み加減でよろしいなあ。白の「空虚性」の突出加減も良いが(半身が無くて代わりに虫が入ってたり、空っぽの墓を印象的に眺めてたり)、表層さえあればそれが本質であるように振舞う松戸の極端さも捨てがたい。カガミ君の実体がおっそろしい悪魔だと知りながら、彼女の契約上の上辺の態度をこそ愛しているという態度とか、エエぞエエぞ。もうどっちが主人公側とか関係の無い次元ですな。


また野沢那智の演技満載回という面もあったな。妄執にまみれた笑いや絶望の淵の嘆息など、マッド的那智を存分に堪能できましたですよ。一方、白の津田健次郎は始終抑え目な演技でちと損だったけど、野沢那智を相手に回しての対比としてしょっがねーとこですかな。…ただ一点、あの本格的(ちうか定番的)な悪魔像は、何となくこの結界師的世界観にはそぐわないような気がした。そんだけ。


逆境無頼カイジ7話。ああやっぱこれがないとねえ、のとんでもない逆転絶望にして人の昏い昏ァい面をのぞき見るお話。船井の星を強引なリクツと勢いで奪い取り、それでもまだ目の前に立ちふさがる壁をチームワークでブチ破る…ような展開にはならんよなあ。チームワークですってさ! 福本作品でさ! という視聴側の(負の)歓声が聞こえてきそうな展開でござんした。


「俺が船井を抱いて落ちる/お前らに託して落ちるんだ」てなカッチョ良い台詞、普通の作品ならこれだけで勝利が確定するとこだろうけど、ことこの作品においては死亡フラグに近いよね。フリチンでガラス張りの部屋の中、というこれ以上ないほどの情けない状況下での更なる絶望とか、もうホンマシチュエーション作りが上手すぎる。それに乗っかる芸達者な声優人たちの確かな演技も良い…が、まあ今回一番はまた萩原聖人だろうな。あの臓物絞りだすような「あああんどおォォォ!」は素晴らしい。