げんしけん/ガンダム00/電脳コイル

げんしけん2・8話。斑目たち先輩が抜け落ちちゃったのでさてどうなるかなと思ったら、現役の人たちが割合とキャラ立ってんので案外なんとかなっちゃいましたね。ちうかまあ、斑目久我山や田中もそれほどキョーレツな人ってワケじゃなかったしな。鳥坂センパイと比べ…てはいけないが。


前半はパワーの遊び部分が少ない荻上さんと、妙に余裕のあるエンジンを有している大野さん(ついでに川澄黒い)。何だかんだでしっくりいってるのがおもろまんな。エロっちいコス着させられたりと荻上さんはいじられキャラの扱いだけど、これはいじる方が上手くないとお互いに生きませんからねえ。そこは大野さんの鷹揚さというか、ニンですな。黒いけど。


後半のクッチー話はアレだ、身近にそういう人がホンマに居た体験があればもう、そのまんまよく判る話ではある。石田の彰さんの演技が抜群に鬱陶しくてこの人こんなのも上手いのな。あと誰に対しても分け隔てなくストレートに攻撃的な咲姐さんは、やはりクラブ一番の人格者だと思います。素晴らしい。


機動戦士ガンダム00・9話。ガンダムさんたちが活躍しだして4ヶ月経ったらしい。その間に運命の出会いやら過去の悪人やら陰謀の錯綜やら水着やら色々あったハズなのだが、なぜか「うーん、のんびりした世界だなあ」と思ってしまった。やっぱ語られてる世界がどうも小さい感じがするんだよな。


国連のアレハンドロさんを見た根谷美智子嬢の「あの男、何を考えている」という台詞もその傾向の一つですよね。普通ならここでの主語は「あの男」じゃなくて「国連」のハズなんだけど。…どんな集団を描くにしても、それをある特定の人たちに還元してしまう。それは確かに有効な作劇ツールではあるが、「ガンダム」という看板の作品としては今後どんなもんか。さて。


本編は運昇さん活躍担当回。00世界数少ないオッサンキャラなので応援してますよ。ソレスタさんたち初の危機らしい危機をもたらしたのがこのセルゲイさん、というのは堅実キャラとして判りやすいですね。…にしても、物量作戦なので人革連だ! と一瞬で判断されてしまうのに笑ってしまった。今も昔も共産圏と言えば物量なのねえ。


電脳コイル最終話。兄は幻、ミチコは友。囚われのイサコを救えるのはヤサコしか居ない。それは痛みをもたらしもたらされ、同じ道を通った「仲間」であるから。言い換えるならば、イサコをその軛に繋いでいたのは他ならぬヤサコだったのだから。


色んな伏線や要素はチャッチャとまとめこみ、ヤサコとイサコの関係性にグイと絞った構成は正解でしょうな。そして二人を繋ぎとめるのが「痛み」であり、デンスケが最期にプレゼントした感覚が「暖かさ」であると。虚構とか現実はもうエエねん、心底感じたモノはそれで強さを持つねん(良くも悪くも)、という通底ディテイルも良かった。…猫目逃げちゃったので次回作希望。ラスボスでもエエし、第1話に出てきていきなりヤられてもエエぞ? どうだね?


総評。確かに詰め込みすぎで、生硬で、後半に行くにつれて余裕が無くなってきた作品ではある。もう数話ほど余裕があったらもっと良かったのにとも思う。でもねえ、それはねえ、もういいやワシ。それらは若書き作品の魅力でもあるのだから。今後磯光雄が場数を踏めばもっと円熟した作品を作っていけることは疑わないが、しかしこの「電脳コイル」みたいな瑞々しい攻め攻めな作品がまた作れるかどうか。


一度ざらっと鑑賞した程度のワタシでは、正直言ってこの作品の「読み取って欲しい要素」をちゃんと浚えているかというと怪しいものなんだけれど、監督や脚本の「おもろい話を伝えたい、自分が良いと思った素材を送りたい」という情念怨念は溢れるほどに感じられた。それでいいや。それとまあ、ビックリするくらい高品質(かつ泥臭い)作画状況をほぼ毎回堪能できたってのでも充分です。


あと、Sの人は案外打たれ弱いし、Mの人は実は責め手が強い、ってのがテーマでもありました。イサコさんかわいい! ヤサコさん恐ェ!