夢の話は誰も訊かない

●夢を見る。NHKの子供向け教育番組らしきものを見ている。画面上には何か書かれた数個の木片があり、丁度ジグソーパズルのようなものらしい。各々のピースがコマ撮りアニメでひょこひょこと動き、長方形にまとまったらその図柄が出る。「オカムラ」等の簡単な人名が書いてあったことが判る。


単純なパズルであり、別に出来上がりの種明かしを見なくてもすぐ判る程度の難易度であるが、次々出てくるパズルは段々と難易度が上がってゆく。次の木片パズルはピース数が増えていて少し判りにくい。その次はダルマ落しのように短円柱を積み重ねた形のパズルで、各々の円柱が回って絵柄が合ってゆく。その次は複数の回転軸がある立方体。その次はルービックもどきのやはり立方体。ここまでくるともう、出来上がりの事前予測はほぼ不可能である。


それでもパズルの複雑性は留まらず、パズル作家の新作連発ショーのような趣を帯びてくる。可動部分は多くなりまた細かくなり、もう箱根寄木細工に近い。そのうち特定の部品を動かすために道具を使うようになり、道具場所を決める治具みたいなものまで出てくる。


とうとうその番組映像内では解決できないようなパズルが出てくる。部品を動かしあぐねた操作者が脇にいる男に「親方、これはどう解くんですかね」とか訊いている。元はコマ撮りアニメだったはずなのだが。禿頭で気難しげな雰囲気の「親方」は、ぶつぶつ言いつつも手際よく複雑なパズルを解き始める…というところで目が醒めた。


●どうせ忘れちゃうんだろうけど、ああ、折角だから親方がパズル解いてから夢が終わって欲しかったなあ。ああ。