おお振り/ガンダム00/電脳コイル

おおきく振りかぶって23話。冒頭の「これまでのおはなし」は良く纏まってたですな。てことで本編は9回1点差、西浦としてはなんとしてもすがりつきたい局面である。「ここで欲張んなきゃ、ウソだ」。バント成功というイヴェントでここまで盛り上げと感情移入を図れる脚本も大概だが、その次の田島さんが本当に熱かった。


会話台詞も内面の声も無いまま、ネクストサークルで片膝ついてるシーンからタメ芝居の開始。周囲の喧騒と思惑をよそに、この期に及んでまでの驚異的な集中力。田島さんの普段が躁的なだけに、ここでの静穏さは特に印象に残る。そして腹を決めた瞬間に漏れる初めての台詞が「よし!」だ。ああ、なんとカッチョ良い「よし」であることか。


そういう「タメの後の解放感」も大概だったけど、ここで桐青のバッテリーたちの描写の手を抜かないのも爽やかであった。キャッチャー、エエ男やな。あーあと、雨の日はトランペットのバルブ部分を布で守るのねなるほど、とかのディテイルも面白いな。


●新番組・機動戦士ガンダム00。まァ「満を持して」ってとこなんでしょうな。水島精二黒田洋介ガンダムとはどないなもんかいな、と思ったらなるほどそう言われてみればって感じ。…うん、会話等の流れに思ってたほどの違和感やイライラ感が無く、話やキャラの突拍子の無さにしては落ち着いた雰囲気になってたかな。


イケメン比率が異様に高いのはまあしょっがねーとして(だってそういうターゲットへの作品だろうからね)、各々のキャラの立ち位置が明確に特徴を持っているのでツライチな平板さは感じない。宮野さんはヒイロ系の主人公ってとこなのかな。また、ガンダム勢揃い(ってもまだ数機だけど)のメカたちも、スナイパーガンダムとかの特殊性を上手く見せてて好感触。


やはり「ワシはなんか部外者っぽいな」という疎外感は感じるものの、第1話としてはそこそこ面白く見られました。しばらく付きあってみましょう。…などと言いつつ、やっぱし冒頭の無骨ロボ戦の方がはるかに萌えちゃったんですけどね。常に「うぉーん」って内燃機関音をさせてるメカ。あれエエなあ。あーあと、あの模擬戦へタレエースさんは今後とってもおいしいキャラになっていきそうなので、応援します。是非ヘタレ道を極めていただきたい。ジェリドとかオレンジさんとかの路線で。


電脳コイル19話。結界を張った部屋の中で、緩慢に動く異形の者達の襲撃に震える女子二人。電脳ゾンビ物語ですなこりゃ。始終陰鬱な空気感の話だったので、一応は騎兵隊的な救いの手であるはずのメガバア声が良い一息どころになってたな。肝心なところで通信が切れるのもお約束よォ…って、公衆電話に黒電話ってとこがまたエエけどね。


彼岸の世界に連れてかれた京子さんを取り戻すという、いかにもオルフェウス型神話の定型を思わせる展開だなあと思ってたら、黄泉戸喫(よもつへぐい)ネタまで出てきましたな。その食物がリンゴ飴だってのも思わせぶりではある。なんとか京子の電脳体も戻ってきて良かったなあ(いやマジでそう思ったのよ。幼子が大変な事になるのなんかヤじゃん)…ってまたエライとこで「つづく」になったなあ! ま、なんとなるんでしょうけどさ。