大江戸ロケット

大江戸ロケット最終話。最後の最後までおちょくられちゃいましたなあ。失敗と見せかけてのウソ打ち上げ、月に一番乗りかと思ったらの皆さん先に到着済み。なんちゃって、全部ウソ、ていくみーふぁらうぇーい。「何の役にも立たない」ウソを、心の底から全身全霊からやり尽くす…という、そういう意味では一本スジの通った終わり方だったのかもしれまへん。ラストに見せ場を貰ったとはいえ、赤井のダンナがラストシーンに居ないのはそういうことなんだろうな。役に立たないウソは彼にはそぐわないから、ねえ。


エンディングのカーテンコールの如き一枚絵連打は良いサーヴィスだったな。ワタシの視聴環境がもっとよければ、細部まで楽しめたのだろうけどねー。…近藤ゆたかが役人連中描いてたけど、彼らのキャラデザって近藤さんだったの? と思ったら時代考証や脚本として参加してたらしい。あー、それは適材。


総評。先にヤなこと言いますと、これってハナシの構造としてはイマイチ不安定で、特に櫻井智の青い獣が退場して以降はちと牽引力が不足していたように思う。ロケット打ち上げという大クライマックスに向けて収斂させる…てな判りやすさが無い。多分そういうガチャついた話運びもある程度は意図的なんだろうけどね。


しかししかし、うーん、欠点も多いがどうしてもキライになれない。呆れるほどにエンタテイメント志向の作品であり、とにかく客を楽しませることにおいては過去例があんま思いつかない。それこそ劇中の清吉たちの行動とパラレルである「バカな努力」、そういうのに弱いからなあワシ。大体あのキャラデザのふり幅で「よし」としちゃう覚悟が凄いと思うよ。


アニメーションという制作形態だからムリだけど、これが原作のように舞台作品なら、これほど打ち上げ(ロケットじゃなくてパーチーね)の楽しい作品は無いだろうなと夢想したりする。楽しい作品でございました。…あーあと、沢海陽子主役ってあんま記憶に無いのでそこもツボでした。