獣神演武/ガンダム00/電脳コイル

獣神演武6話。弓男の師匠に会う話。彼が皆に吹き込む「師匠は恐ろしい鬼婆だ」ってのは、回想シーンの田中敦子声によってフェイクであるとバレてはいたんだけど…ははあ、ここまではっちゃけキャラでございましたか。敦子姐さんとしても昨今そうそう無いくらいの陽性なキャラではおまへんでしょうか。四十路前でアレってのがまた、エエな。


毎度ながらそんなに丁寧な演出とは言えない、どちらかと言えば大雑把なアニメなんだけれど、若作り師匠と拗ねちゃう弟子というヘンな健全さもあって今回は割と面白かったですかね。あとゾンビ兵と戦うシーンで急に作画のコストが上がってたな。あの辺のシーンだけ却って浮き気味だった感じ。…って、次回予告で既に師匠の死亡フラグ立ってませんか?


機動戦士ガンダム00・7話。仕事とあればガキでも利用する、藤原啓治は結構裏街道っぽい人のようだ。理想なり職務なり、メインキャラにはある程度純粋なキャラが多いこの作品にあって割と突出した属性の人みたい。…でも、ま、何をよりどころに会話してるのかちいとも判らないガンダムマイスターさんたちに比べれば、まだ人間味もあるというものだわな。


「ソレスタル何とか」への対抗勢力としてテロ組織が登場。国家間抗争からテロメインと、ここ半世紀のスパイ映画の歴史みたいな流れではありますな。いや、まだ相手が見えないので判らんか。ひょっとして「本体は大国の差し金でした」とかかも知れんし。しかし世界はそろそろソレスタルさんの略称を考えて欲しいものだ。マジでマジで。めんどくさい。


索敵を避けて峡谷を進んでいくガンダムたちの絵はなんかエースコンバットみたいでしたな。2とか04に似たようなミッションがあった記憶が。あと何だっけ、アレハンドロさんだっけ、あの方の側近は古谷徹みたいだけど…てことは彼が語り部として過去を回想でもしてる形式なのかしらん。あと石塚運昇土師孝也を使いまわすと重量感増すなあ。


電脳コイル24話。メガネを捨てる、というか捨てさせられる子供たち。イサコとデンスケの喪失にも何も感じないヤサコさんは、お母さんに抱きしめられる。暖かくて、柔らかくて、少し痛い。それが現実なのだから、そうでないものは虚構だから。…本当にそうだろうか。この胸の痛みはまやかしだろうか。


単純な電脳否定・現実礼賛にはならないだろうなとは思ってたけど(磯光雄の属性から考えてもね)、キッチリと1話もかけてヤサコの心によりそって、それから新たな可能性を探るというシナリオは本当に真摯な態度だと思った。それでちゃんと面白いんだから文句ねェなあ。現実感が乖離しているヤサコさんが、他の犬の声によって初めて泣き出すというのは良くある描写だけど、そこに至るまでのマジメなディテイルと説得力が丁寧で安易さが無い。


落ち着いていて安定感のある作画状態の中、ダイチに投げ飛ばされるザコさんたちの絵の乱し方がエエアクセントでしたね。おやびん呼ばわりのナメッチとかもね。あと、金月真美はいつの間にか押しも押されもせぬお母さん声になったなあ。