獣神演武/おお振り/ガンダム00/電脳コイル

獣神演武2話。運命の流れには逆らえないので旅立つご一統の巻。状況説明のモタモタ加減と描写各々の軽さはやはり気になるところ。闘いながら色々喋ってたけど、説明としても薄いし雰囲気作りにとしても弱いし、どうももっちゃりしてるような気がする。かなり類型的なキャラパターンといい、前回感じた通りやっぱこれは夜7時とか日曜朝とかを目指して作られたんだろうな。


「憎しみは何も生まぬ」と敵討ちを禁じた父の言葉が「運命だからやっぱアリ」で宙ぶらりんになっちゃったのもちと気になる。いや、逆らえぬ運命という大きな流れを見せる意図ではあるんだろうけど、それにしてももっとやりようはあったんじゃないかと。あと、塀に串刺しになった二又さんを誰も気にせずウヤムヤにするのもちょっとな。一言「あれ、あいつはどこへ行った?」とか入れとけば割と解決する問題なのに。


おおきく振りかぶって・最終話。一試合終わってインターバル、そして世界は三橋さんを中心に回っているのですよ色んな意味で、というお話。花井さんに「中学で会ってたらイジメてたかも」とまで言わせる三橋さんの挙動不審ぶりに対して、阿部さんはそらもう四苦八苦するワケなのでした。反省会記録にて皆が述べる三橋さんの活躍。そ、アナタこそが西浦の中心に居るのです。そして三橋さんは一人ごちるのだ、「野球やってて良かった」、とね。


サブタイの示す通り「ひとつ勝って」きただけに過ぎない。今後彼らは更なる試練と楽しさに出会うのだろう。…ガッチリとしたシメ話にしてないのは第二シーズンへの期待もあるけれど、ワタシはそれ以上に「ここで終わりじゃない若さ」を感じることができました、とかの恥ずかしい台詞禁止。


総評。事前の評判通りとても面白かった。これだけゆっくりとした試合ペースの話なのに、内容描写に引き伸ばし感があるどころか異様に濃厚なまんま語り切った構成力がすさまじい。頭脳的な読みあい合戦だけではなく、チーム双方の瑞々しい「感情」の流れ/交錯を織り上げる語り口はちょっと他に無いリッチなものだったと思う。どいつもこいつも真正面にエエヤツばっかりの面子で、これだけのバラエティと存在感を出せるってのは相当なものだ。


あとどうしても言及しとかねばならないあの作画! 派手なエフェクトもケレン味も控えて、ストイックに地道に「高校野球」の動きを描き出すやりかたには本当に頭が下がる。見ていて毎週ワクワクしたもんよ。高校野球っぽいといえば、あの微妙な(失礼)応援トランペットを再現したのはこのアニメが最初と違うかな。


過度に深刻にせずあくまで地に足ついた爽やかさを通した、ってのは水島監督らしさと言えるかも。とまれ、楽しうございました。また機会あらば続きを「TVで」やってほしいもんだと思います。


機動戦士ガンダム00・3話。前回ケツに登場の人は、ああそうかお披露目でガンダム事件見てた片割れの人だったのか。ワシぼんやりしてて先週気づかなかったよ。しかし乙女座がどうのこうの言いつつ襲い掛かり、アバンの時間内ですぐ負けるッてのは面白キャラの素質充分ですなあ。変な人が多いのは割と嬉しい。


さて本編はガンダムによる同時多発武力介入をめぐってのお話…だけど、「敵の新技術が欲しいのだ」というサイドテーマがなんか面白い。たとえ負けても物理接触すれば技術解析の手がかりになる、ってのはその通り。あとこの際に「会話はしていない」という要素が明示されたのも意図的なのだろうな。戦闘シーンでは単に「会話のように見える」だけってワケだ。…「お肌のふれあい通信」はあるのかな。


んー、言うても詮無いことだけど、やっぱイケメン比率が高いので個人的にキャラが見づらいな。まあ「あのうえだゆうじ技術者はオッサン顔」とか脳内変換してればエエのか。その意味で石塚運昇スカーフェイスさんは超がんばれ。あのゴッツいフライングユニットともども大好きだぞワシ。あとIRA問題がいきなり解決したとかいう夢の話にはツッコまない。なんか裏がありそうな気もするけどね。


電脳コイル21話。第二クールに入ってから特に起伏の多い当作品だが、今回もかなり急転直下なお話であってふーむ。今まで物語の表層に出てこなかった黒幕(たち)がその見えざる腕を振るい、結果イサコは新校舎内で面倒な立場に置かれ、兄の存在を否定され、そして彼女自身の電脳存在も危機に晒されている。「裏切ったな!」、である。総集編回で登場したジャンケン猫がボス(の端末)とは、これまた仕掛けてきますなあって感じ。


相変わらず芝居の描写力が異様に高いなあ。タケルさんがヤサコさんに呼び止められた瞬間の「あ、やべ」という表情と間、ギリギリ「視聴者は気づくがヤサコは気づかなかった」という虚構が成立する程度の微妙さで上手い。あーあと、廊下で並んで話してるイサコとヤサコの脚だ脚。子供らしい細さとリアルな肉感があってちと感心しました。感心? エエやんそうしとこうや。


さて、このまま進むのも気ィ悪いので次回はフミエさんも一緒に行動しましょうや。ね。…あと、ハラケンが書いたあの四つの丸は、古い空間のとこのマンホール配置かな? OP冒頭やEDの途中に出てくるあれ。