DtB

DARKER THAN BLACK・最終話。ヘイさんは「東京か契約者か」の二択を迫られる。しかし彼が取った行動は「どっちもだ!」という、…えーと最近どっかで見たような展開だな。彼岸と此岸の境目のような世界で、まずヘイさんをドヤすのが池田勝、ってのがなんかそれらしいや。あの面子の中で真っ先にそういうベタな行動ができそうなキャラだからねえ。


契約者とドールは「少しずつ」変わっていく。インさんの「私を独りにしないで」の声は、その変化のディテイルとしてかなり強烈だったと思う。諜報者入り混じる三ツ巴の抗争の中において、この変化/不確定要素を読みきれなかったのが「組織」の誤算であったのだろう。さて今後、非契約者勢力も変わっていけるのだろうか。どちらにせよそれは、「あの二人」が取った困難な道であるのは間違いない。「私たちは同じ道を選んだのだろうか」。


…えーとあと、この作品における最大の萌えキャラは家弓家正だったなあと思いました。


総評。岡村監督の「ベタな職人性」がエエ方に働いた作品でしたかね。序盤はそのベタな素材がちょっと鼻についたりもしたんだけど、ワタシが慣れたか作品がこなれたか、話数を重ねるに従ってクリシェの使い方がどんどんとシャープになってった感じ。


個人的に好きだったのはヘボ探偵コンビですな。サポートキャラの方が好きに動かせる利点を勘案しても、あの「コイツらだけ別の場所に立ってやがんなあ」というヘッポコな味わいは捨てがたい。さらにその前提条件を利用して物語に俯瞰的な視点を与える、という使い方が妙に上手かったなあ。


一段落はついたものの、語られざるネタも残っており少しオープンエンド気味に終わった本作。まァ「ああ、これからもこの世界は続いていくのだろうな」というフレーバーとして充分なので、唐突に終わったという感じはしなかったな。しかしこれ、続編やスピンオフを作ってもイヤミの無い切り方でもあったよねェ。