インターステラー

ビデオ屋の更新時期で一本サービスってことで、インターステラーを今頃借りて見る。いやあ、面白かった。理論物理部分にはキップ・ソーンが付いてるだけあって、勘所を押さえたSF的/物理科学的な絵面がそっちこっちにあってなかなかよろしい。降着円盤重力レンズの合わせ技だとこう見えるのかとか、五次元子供部屋時空連続体を三次元的に見せてたたんだらこんなんやとか。…あの辺のヴィジュアルは四畳半神話体系をちょっと思い出した。ブラックホールからペンローズ過程でエネルギーを取り出すってのも確かソーンのおっさんが言い出したことだったよな。ワシ未だに単なるスイングバイとどう違うのかイマイチ判ってないんですが、まあいいや。

ノーランの映画って大概そうなんだけど、これもかなり長いんすよね。中盤のいろんな星を探検して危機一発! とかあの辺、削ろうと思えばすっぱり削れると思うんだけど、でも入れちゃう。この作品においては、そういうちょいじっくりした雰囲気は悪くないなと思った。入り組んでるように見えてもその根幹は「あの時のアレはあんたやったんかい!」というベタ話だから、尺的なディテイルがじっくり積み重なってるとその効き目が倍になるっちうかね。

あとやっぱ、プロダクションデザインのセンスが良かったっす。ありそうだけどかなりクタビレた装備品やプロップなど、終盤近くまでずっとこういう地味リアルな雰囲気できといて、最後のコロニーでぱあっと明るく見せるって小技も悪くない。しかしあのステンレス直方体ロボは思い切ったデザインだなあと思った。いかに愛想なさを見せる目的とはいえ、普通もうちょっと機械っぽくするよなあ。水惑星で高速移動形態になった時けっこうビビったよ。

てことで、うん、楽しかった。2001年っぽいシーンとか、映画館で見たらもっと良かっただろうなとか思った。うん。