ぽてまよ/スカルマン/ヒロイック

ぽてまよ最終話。花が咲き、花が散り、種が稔り、ヘンなウサギが出てくるまでのお話。母との離別、ぽてさんや仲間との繋がり、それらを様々な「花」に仮託して纏め上げるやり口はなかなか、堂に入ったもんでございました。…ただまあ、堂に入りすぎて「そない華々しく感動的に気絶せんでもエエやないですか」とは思っちゃったんだけどね。そら素直も泣くよ。


総評。事前に思ってたより遥かに地力のある作品になってて、何をやるにしてもかなり余裕が感じられましたな。この手の作品は、とにかくキャラをかいらしく描かないことにはまァ立ち行かぬものですから、そこが安定しているってのはまず強み。だから、一見ゴチャついたように見える話とか、はたまたじっくり語るような話とか、そういうバリエーションを乗っけてもこぼれなかった、という印象でしたよ。うん、楽しい作品でございました。


あとはやっぱ花澤香菜だよねえ。ここまでがっぷり四つの「得体の知れないアニメマスコット」的王道演技が出来る人だとは思わなかった。…成長云々じゃなく、第一声目からそうだったもんなあ。驚きましたです、ハイ。


スカルマン最終話。流石ラストだけあって緻密でリッチな画面作り。骸骨男最後の一撃の異様なブラーはちょっとすげかったな。また、狂騒的なカタストロフィ描写のつるべ打ちも迫力があった。あったけどまあ、意味はあんまり無いよね。市民のモンスター化もいきなりのカニメカもホンマ出てきて暴れただけで、そのあとどー引っ込んだのかの描写すらないし。


真相は闇の中、世界の行く末は暗雲をはらみつつも日常は戻る。されど悪の胎動はその響きを強める、てな割り切れなさの残る終わり方は石森らしいな…とかの感想を吹っ飛ばす若本スカール様誕生エンド。うわー、ここまで明白に009に繋げてくるとはちと意外。とすると川澄の人が抱いてた子は島村ジョーか? とにかくまあ、このエピローグのインパクトで他が霞んじゃったなあ。


総評…じゃなくて、いくらか見逃しているのでただの駄感想にしかならんな。でもまあ、序盤部分のもたつき加減はちょっと鑑賞意欲を殺がれがちだったのは確か。1クールシリーズで連載ミステリっぽいものをやろうという意図だったのだろうが、やっぱどうしても謎の匂わせ方や繋がりがもたもたしていた。アニメってリニアだし、1話30分しかないからねえ。これ、マンガとかだったら見返したりもできるんだろうけど。


後半に入ってからはザクザクと進むようになって見やすかった。が、見終わってどうもモヤモヤするのは「なんで平成009?」ってことだわな。いや、他にも石森オマージュは散見されてたけど、なんか異様に優遇されてませんでした? そこがなんかもにょったので、素直に「おーゥ若本スカール様だーァ!」とは思えなかったなあ。これは出渕さんの趣味だったのだろうか。


…あと、折角だからホンマモンの昭和を舞台にして欲しかった気もする。なんちゃって戦後は色々と設定に便利だろうけど、見た目も中途半端だったし、なんか「これなら適当なディテイル出しても言い訳が立つ」って風に見えちゃったので。


ヒロイック・エイジ25話。果てしない種族間抗争は終わりを告げる。ノドスたちが黄金の種族への門にして鍵であった、というヨグ・ソトースみたいな仕掛けを経て、戦士達は並び立ってその門を見上げる。…エイジだけを除いて、であるが。


何だかんだで「ノドスみんなで共闘だ!」って流れは燃えますし、ケルビウスの兇悪な暴走描写もおどろおどろしくて見ごたえ満点。惜しむらくは何がどうなって門ができたのかよう判らんかったってことですが、まァそんなもんは世界の合一というめでたさの前には小せェことよ! 気にすんな気にすんなガッハッハ! …ま、人智を越えた巨大な意思、ってのはよく出てたと思いますよ。


銀の人が血塗れで「喜べ、パエト・オー」と言うシーン。感情の排除で力を維持してきた彼がここに至って感情を強要する、ということで「壊れちゃった感」が出てるんですな。てェかちゃんと血が出るのね。まいいか。あと、ケルビウスの黒とベルクロスの金が融合して、深い黒を纏った黄金色のゲートができる、とかの色ネタの使い方も上手かった。