おお振り/地球へ…/電脳コイル

おおきく振りかぶって22話。色々聞くとどうやらやはり、桐青戦でアニメは終わるみたいですな。うーんそれは勿体無い…がまあ、色々と仕込むだけ仕込んだネタもありますので、ゆくゆくは第二シーズンもあるんじゃないかという希望も、ね。是非。


さて。桐青はかなり思い切った戦術を取ることで逆転に成功し、西浦はどこまでついていけるのかというお話。バッターボックスでの緻密な読みあい→それを踏まえて流れの読みあい、てな多層的な心理ドラマは毎度ながら見ごたえアリアリ。そういう積み重ねの繊細さがあるだけに、桐青の強引手法の「腕力」が逆に引き立っていた、という構造も楽しい。いやあ、楽しませてもらってます。


「怪我しない」という約束を巡ってゴタついてる三橋/阿部シーン。やりようによってはかなり緊迫した場面にもなろうところを、軽妙な音楽で深刻にさせないのですね。それでも量感が不足しないドラマ作りは大したものだと思いますよ。


地球へ…・最終話。いやーその、何だ、急いで詰め込んだなあ、って感じですな。この最終話のシナリオが2話分であれば色々とごまかせてたかも知れないが、このテンポでは諸々のご都合主義が目立つ目立つ。とにかくラスボス扱いのマザーのキャラがあまりにも薄く、また説得力が弱いのだよなあ。またこの辺の会話で「進化の必然」という言葉が出るたびにしゅしゅしゅーっと引いてってしまうワタシをどうしたらいいものやら。進化に必然も偶然もあるかェや。


問題はクライマックスシーンの前と後で、パラダイムシフトが何にも発生しないことなんだよな。それなのに何故キースは翻意したのか、ドラマが回頭したのかがよう判らんのだ。ま、これはワタシがバカチンだったってことでエエですけどさ。…それにしても、成田剣や長老連などの取ってつけたような犠牲シーンはヤッツケ気味でかわいそうだったなあ。


総評。開始前のドタバタを考えるとよくぞここまで、と思います。最終的に2クールアニメ作品として何の故障もないデキになってましたしね。


ちと私に合わなかった所があるんだけど、それが原作からの翻案個所なのか原作どおりの個所なのか。キャラクターは十二分に立ってるんだけど、その動かし方がどうも脚本化勝手でノリにくかったんですよね。特に終盤に行くにつれてどんどんと「お話を終わらせますよ〜」てな都合と、それに伴うキャラの奥行きの喪失が辛かった。…相対的にキースさんのキャラは深まっていたような気はしますが。とまれまあ、お疲れさまでした、と。


電脳コイル17話。視聴者大サーヴィスのスク水回でした。少しうそ。ハラケンさんが何か、日常的な安寧を振り切ってアチラの世界へと踏み出そうとする話。定型パターンなら「悪魔との取引」の悪魔に当たるのがイサコさんなのが可笑しいというか正しいというか。この「悪魔」も迷い迷いつつある存在なんですがね。


図書館の外でのヤサコとハラケン。柔らかい黄昏色の画面は、まるで図書館で見た記事の琥珀の如く。それはこの瞬間を封じ込めるような効果があった。しかしこの場の二人の会話は、表面上はともかく深層ではすれ違う。ただの好奇心なんだ、心配してくれてありがとう、最後の夏休みを楽しく過ごそう。ハラケンのこれらの言明について、ヤサコがその心理を知るのはいつのこととなるのだろうか。


そういう叙情的な絵作りとともに、後半のサッチーがらみのアクションにもキレがあって良かったなあ。あとあの図書館の本! 電脳メガネだの何だのと明らかに新しい本であるのにあの古臭い装丁! 書籍のフェティシズム満点でありました。


●着信御礼!ケータイ大喜利の特番見てますが、納谷悟朗氏が生出演でバカ台詞を読み上げてらっしゃいまして。最近はお声がだいぶ控え目になってきてらっしゃるのでどうかなあ、と思って見てたら、その辺を逆手にとったヘナヘナギャグで攻めてくる、という投稿者の空気読み力で切り抜けた感じですなあ。「ヤツはとんでもないものを盗んでいきました。ワシのやる気です」は酷いなあ。大笑い。


…それ以外もなんかエエ感じのネタ多いなあ。最近めずらしないか?