おお振り/地球へ…/電脳コイル

おおきく振りかぶって17話。「一点はやっていい」と割り切る西浦、「目先の点よりアウトを回避」の意図を持つ桐青、当然西浦の思惑は噛みあわない。本腰を入れてきた桐青に対し、地力で劣らざるを得ない西浦の策はだんだんと通用しなくなりつつある。されど試合は始まったとこであり、未だ勝利の行方は見えないのである…という。


本調子になってきた桐青ピッチャーの強さの表現が、もうやたらに細かくて割と恐れ入った。普通はゴリゴリと力で押さえつけてくる演出なんだろうにねえ。そういう繊細さの末のホーム上アウトォ! はなかなかのクライマックス。モモカンじゃなくてもゾクゾクするというものです。


両軍監督の読み合いが楽しい本作だけど、次回はどうやら監督バトルメインのようで楽しみ。…つーかモモカンさんを見た桐青捕手の動揺っぷりが実におかしい。そらまああんな迫力のちち見たら気圧されるわなあ。


地球へ…・18話。ありゃ、トォニィさんたちは一話でやたらとデカくなったなあ。どうやら一戦闘というスパンでも成長してるらしい。それはすごいけど着替えとかは大変じゃなくて? 若手にどんどんお下がりしているのかしらん。てことで戦闘民族みたいなことになってる若手たちである。テイクノープリズナーな戦闘といい何も考えてない行動といい、内面は単なるチンピラさんであってやたらに危なっかしい。ジョミーはそれを容認しているようだが、真意はさて。


アタラクシアにての三人同窓会は、幼児退行のサムを間に挟んでキースとスウェナ、という「時の流れって残酷ねえ」のスリーショットが印象的でしたかね。…キャラデザインの都合上、みんなどの程度のトシになったのか判りにくいのが難点だけど。しかしスウェナさんはジョミーたち相手の全権大使みたいになってるが、そんな大御所さんだっけ?


電脳コイル13話。前々回が台風のフー子、前回がハロー宇宙人…というドラえもん的アナロジーで行くならば、今回は横綱相撲としての「のび太の恐竜」ということになりましょうか。前二回ほどの狂騒的なイメージの暴走こそ控え目であるものの、楽しうてやがて悲しき電脳存在との交流は結構なおセンチ感があって良い良い。余韻を持たせずスパリとオトすやりかたはこの作品の味でもあるが、今回はもうちょっとだけ残響を残しても良かったのと違うかな、と思った。


展開によってどのキャラにも「第一印象とは異なる陰影がある」ことを意図されていると聞くが、今回はのんびり坊主に見えたデンパを掘り下げる回でもあったってことですね。言葉上はツンケンと反発的なフミエが、実際一番彼の心痛を感じているというのが判る構成も良かった。


まあ、今回のホンマの主役はピー助…もといクビナガさんではありましたね。光に触れて身を崩し、電脳クズをこぼしつつよろよろと進む彼の姿はホンマに「感情移入」しても仕方がないほどの存在感があった。…藤子的ネタなのに何となく松零っぽい目付きがなんかエエな。トリさんみたいの。


●…たまたま解体新ショー見てたら平野綾の人が顔出しで客席にいた。NHKもこういうとこで敏感よのう。