大江戸ロケット/グレンラガン

●新番組・大江戸ロケット。何週か遅れでコッチでも開始、面白そうだったのでかなり嬉しい。みなもと太郎デザインも出るアニメと聞いたが…ははあ、案外と違和感はないな。これ、動かし方の統一とか視線位置とかかなり慎重に演出されてんぞ? 丁寧なことであるなあ。


事前のイメージでは、「ロボットカーニバル」の明治からくりロボ話みたいなのかなと思ってたが…うーむ、それよりもはるかに闇鍋状態の何でもアリなのな。ロケットだけじゃなくて一芸ニンジャだの怪獣バトルだの、Aパートの混沌加減っちゃただごとではない。


しかし、それらまとまりなさげな断片群一つ々々が「面白く描いてやろう」という意図をもって提示されてくるので、なんしかエンタテイメントになってんだよな。Bパートに入るとスジが一本通り出し、最後にキュッとシメる構成はなかなか見事。…うーん、面白いぞ? 


冒頭の大爆発の絵はこの作品の色を決める良いシーンだった。ムチャでハデでショッキングでさ。これならついていこうって気になりました。…鳥居さんが若本なのは會川昇つながりなのか?


天元突破グレンラガン8話。カミナ兄貴はその精神をもって後進に道をあらわす。画面上時間軸上全ての要素は兄貴の「生」を描写されるためにあり、目一杯引き絞ってひょうふっつと放つ矢の如く、演出の狙いと信念に揺るぎは無い。うん、ここまでシッカリと出し惜しみをしない作品は久々でありました。堪能。


アツい物語を創るには、ただ過剰にすれば良いワケじゃない。ムチャクチャ過剰にしなくちゃならんのである。イヤボーンするなら火山を爆発させろ! ドリルで貫くなら巨大さと描線数に糸目をつけるな! 劇的な舞台が欲しければ空に銀河を煌かせろ! アツさのお手本たる「あしたのジョー」への傾倒は作品中何度も描かれてきたが、兄貴のラストには誂えたようによくハマっていたなあ。


当然ながら絵も全力投球で、特にラストの必殺ドリルシーンは画面のブラし方とかタイミングとかが気持ちよ過ぎたね。あとガンメン上で談笑するヨーコさんがかわい過ぎたね。


…っと、そういう本筋から一歩離れたとこで言うと、近接攻撃と後方からの支援という戦闘の構成をちゃんと描いてたのが印象的。これはヨーコさんのキャラを盛り込むためでもあろうけど、かなりシッカリしてましたよ? 08MS小隊のグフ回を思い出した。


しかしまあ、このタイミングでねえ! 思い切った構成ではある。無論「実は生きていた」でも「その精神はナニナニの中に保存されていた」でもアリだとは思うが、それはまあそれで。OPどうすんだろ。


●てことで、大江戸始まったのでキスダムはもったいなくもリタイアさせていただきました。切れるとこから切ってかなきゃなあ。