おお振り/地球へ…/電脳コイル

おおきく振りかぶって6話。俺がこの俺だけがお前をキモチ良くできるのだできるのだ、とほんほん言いながら三橋をリードする阿部であるが、やはり上手の手からも水は漏る。相手チーム監督の一言からあっという間に状況はひっくり返り、阿部さんはただ立ち尽くすのみ。が、三橋さんはどうか。


勢力図の転がし方がなかなかに見事。些細なことで激変する「流れ」ってェのはこういう作品のキモではありまんな。その上で描写される「投手の条件」、何があっても立って投げたいのがピッチャーであるというその強さ。投手という概念の特殊性というかエコ贔屓加減というか、これぞ野球マンガであって割と燃える。そう、慎重にカモフラされてきたが、物語の最初から「三橋さんはそういうキャラである」と説明されていたのではなかったか。…上手いね。


しかし阿部さんの投球履歴分析はすげえもんだな。高校野球ってのはここまで考えるものなのだねえ。…いや、ホンマがどうとかはともかく。


地球へ…・7話。なるほどノーマル人側も掘り下げていくんだなと前回思ったら、うわあ結構本腰入れて描くのね。ってェかもう4年も経ったのか! いやチャッチャと進んでエエのですが。てことで反逆のシローエさん再登場の巻。


何かと挑発的に突っかかるシロエさんと、本人も気づいていない暗部をかかえたままのキースさん。かァ、どうしてデキる奴ってのはこう、いびつな性格してんのかねェ。なあサムさんよーってなもんで、彼の凡人視点は良い俯瞰能力でありある意味便利キャラではある。しかし前回のエリートメガネはあれでシマイかいな。


電脳コイル2話。ワケ判らんものに取り憑かれちゃったデンスケを救わねばならんが、どうもその憑依物には謎が多い。鈴木れい子のオババはどう手を尽くすのか…って怖ェな! 悪い子はいねがー!


まだ部分的に空と樹木の残る古い町にて、少年少女のフシギ体験が語られる。そのゆっくりとしたテンポ(と、妙に言語先行なシナリオ)は、確かになんとなくNHKっぽいような気がする…ってのは先入観によるものだろうか。とりあえず異様に贅沢な作画状況を見てるだけでも楽しいんだけどね。まそれはそれで。


ウィルスやワクチンや支援アプリ等の妙に古臭い「電脳的アナロジー」は、なんとなく一昔前のサイバーパンクっぽいお手軽感で意外と悪くない。多分ばかでかい容量であろうプログラム同士を、天眼鏡覗きながら手で融合させちゃうオババの技とか。…しかしデンスケさんはアレか? ひょっとして亡くなったおじいちゃんの人格データでも入ってんのか?