ヒーローマン/デュラララ/おお振り

●HEROMAN・9話。ゴゴールさんの(一時的)敗北とヒーローマンの勝利。しかしその落着状況は、ジョーイさんのあずかり知らぬところでヘンな軋轢を生んだりしてて大変だよね、という話。てっきりジョーイさんたちの活躍を漁夫の利的に持ってっちゃうかと思われたDr.ミナミたちであるが、結局ヘタこいて見知らぬジョーイさんたちを逆恨みである。…ええやんね、あの「大怪球ストップ」もテメエの手柄にしちゃってもね。ダメっすか。そこら辺は科学者のこだわりっすか。


VSゴゴール戦にて暴走状態を経験したヒーローマンジョーイさんは彼に「そんな風に戦っちゃダメだ」と叫ぶ。…結局ゴゴールさんをド突いて勝利したヒーローマンなのだけれど、その二種類の戦闘スタイルの差とは一体何だろう。アメリカンスピリットとかですかねえ。よう判らんが。にしても、ニックは瓦礫と運命をともにしてウィルはゴキブリ生物のまま、とまあ結構重い描写がされてますな。アメコミっぽい、ような気もする。


アークのシメだけあって作画的な楽しさはもりだくさんでしたな。バトルシーンのキューブ破片もカッチョエエし、濃厚な振り付けと動きも堪能したし。ミナミのVTOL機はあれ、オスプレイかな。あの巨大ダンプカーは架空車両か? あの上に乗ってたヘンテコメカ、あんまし活躍しないままだったのが残念。次週以降にまた暴れていただきたいところです。


デュラララ!!・20話。虚構と記号の「ラベル」を挟んで、各勢力は盲目的なエスカレートを始めている。切り裂き魔だの首無しライダーだのダラーズだの、実態がどこにあるかも定かでないその「ラベル」にぐるぐると振り回されている面々。無論、そうさせている見えざる手はイザヤさんである。事実と真実と現実、本来は全く別個のこの三者を一まとめにした究極情報としてマサオミさんに提示されたものは、…「竜ヶ峰」というラベルでありましてね、という話。


お互いの過去とシガラミが絡み合う、めんどくさい話作りは今までに増してめんどくさくて面白い。このアークの主役はマサオミさんであるけれど、あてがわれた「虚構の枠内」でどう行動しようと多分スカを引くだけであろうねェ。横紙を破って別の土俵で相撲しないと、彼にとっての過去は常に「神」のままだ。キッカケが必要、なんでしょうか。


虚構を友とし現実も混ぜ込んでるドタチン一派の、割とくっだらねェ行動原理が何やら頼もしい。アニメとラノベに偏ってんのはちと狭いけど、それでちゃんと上手くいってんのならエエのだろうな。…この作品も語られて/騙られているものなれば、ね。


おおきく振りかぶって〜夏の大会編〜・9話。「研究されてる」の巻、である…てことでさあさあ! 来ましたよ! お互いに相手の思考を読み、さらに読んで読んで読んだ末に瞬時に反応し、あるいは反応しそこない…の積層の先にあるドラマの大開幕。阿部さんの「俺たち何も気付いてない、と思わせたい」ってな台詞が端的に示している、ナチュラルに息詰まるガチ勝負である。楽しいねえ…見てる方は。やってる方は楽しい以上に、無茶苦茶精神と肉体のリソースをゴリゴリ消費してるでしょうけどね。


ここぞという場面で、キッチリと部員たちの要石となっているモモカンさんはよい監督だ。言葉の調子だけではなく、その論理で積極的に監督としての牽引力を示す彼女は実に頼りになる「大人」であろう。…ニラまれるとコワいっすけどね! それもまた魅力よ! 


てな感じのゲーム内要素だけではなく、ちょいとメタっちい諸々も絡んできそうな雲行き。それは三橋さんの過剰な阿部さんへの依存性であり、また敵の倉田捕手/ロカさんののどうも不穏な関係性である。…ははあ、ひょっとしてロカさんは阿部さんへのラフプレーでも狙っているのか? あるいはノムさんばりのささやき作戦で内部崩壊を起こすとか? 何にせよ、物語的な前提条件と変数のバラエティが相変わらずすげえ。うーん、楽しい!