侍/Blood+

SAMURAI7・19話。旧き王は新しき者によって弑殺されるべし。闇を抱えたまま、商人子安は御天主子安に取って代わるのである。一方、カンベエは囚われっ放し。なんか策でもありやなきや?


いかなそういう決まりだとはいえ、「殺すなり何なり好きにしてちょうだい」状態で次期王候補と水入らず、ってのは誰かヤバイとは思わないのかなあ。あんなけテクノロジー満載の生命維持装置に入ってんのに、誰一人状況をモニタしていない(多分記録にも残っていない)ってのもどうかと思うが。


ま、それを差っ引いても商人子安のふてぶてしさは黒くてよかったですね。いざと言う時に一切動じないのは流石に支配者の血ですな。…って、なんかクローンみたいな言い方してたけど、女性に子を宿すってことは単なる子供なのかな。よく判らん。


キクチヨとコマチはやっぱエエコンビで、また見ていて楽しい。おにぎりをむさぼるコマチ坊の絵がとても良かったな。


Blood+最終話。この世に残りしディーヴァの子。この子を殺して私も死ぬ! のサヤを押しとどめたのはカイである。その感情はホンマモンだろうけど、これは後世に火種を残すことにはならんかな。いや、ヤな言い方をすれば続編の可能性を残す、か。まあ、ここで子殺しシーンを見せるような作風じゃなくなってるのは確かではありますが。


アンシェルのごたごた(わりとどうでもいい)を経てエピローグ。小さな世界に戻ってきて、余韻を持たせつつ切なさ/安寧半々のシメ方は悪くなかったな。サヤ…というより物語そのものが、状況に流されっ放しだったように見えるのでもう少し重みが足らないんだけど。散髪をスキンシップの手段と見立てるシーンは良かった。あと、ネイサンは生き残り?


総評。悪くないけど、ちょっと粗が多かったなあ。物語的には…キャラとその関係性は立ってたんだけど、逆に言うとそこまでであって、群像劇としての個々のキャラを捌ききれてなかった憾みが残る。1クール2クールならそれでもいいけど、1年かけて何かを語る作品としてはちょっとダイナミズムが薄かったように思う。「次は? 次はどうなるの?」という引っ張り具合が弱いんだよね。


あとはまあ、前半と後半の手触りの差か。路線変更かてこ入れなんですかね? 前半のダークで重い雰囲気と、後半のヤケに耽美なお姫様ストーリーがちょっと合ってなかったような気が。ま、何のかんので割と楽しくは見たんですが。でももうちょっと…って思いは残りました。今後このリソース使っての展開はあるのかなあ。どうかなあ。


…世間的には低評価だけど、映画版のミもフタも無いテイストの方が好きでやんすけどね。個人的に。まあ、それはそれで。