侍/妖奇士

SAMURAI7・22話。天主子安はその肩書き通り天下を操らんと画策する。野伏せりをけしかけといて手懐けた侍で撃退する、というなかなか腹黒いやり口でマッチポンプ。まあ、やってることの本質は「お前らあの娘を襲え。そこに俺がかっこよく現れて撃退するから」なんだけどね。


サムライ組はというと、拗ねてひねくれて出奔するカツシロウである。女に寄りかかろうとして止め、やっぱり逃げていく彼の青臭さがよく出てましたな。サブタイ「ひっぱたく!」の行為主がキララであった、ってのを話の最後に明かす展開は面白かった。


ここでも一番バランス取れてるのはキクチヨなんだよな。憎まれ口でカンベエの痛いところを突き、一方で暴走するカツシロウに「お前ちょっとヤバいぞ」と平気で言える。ちょっとトリックスターじみたところがあって良い。作為の無さは天然だが。


天保異聞 妖奇士2話。怪獣バトルは何とか一段落、「四十近い」主人公はなんか胡散臭い組織に身柄を拘束される…って、四十路近いのかこの人は。この時代じゃ結構な歳じゃないか? 二十台半ばくらいかと思ってたよ。


浮民としての主人公が妖奇士グループに編入されるエピソード、ここまでで導入部って所だろうけど…うーん、ちょーっと理に克ちすぎてたかな。それまで異界を望みつづけていた子が、主人公が異界に惹かれそうになるや「行くな」つったりするのとかね。判らんでも無いが、性急な描写のように思える。


…父親が「米や麦じゃ我慢できなくなった」ってのはアレか、カニバリズムか? 娘を喰ったか? 飢饉状況下ではあることだけど、この泥臭さの希薄なキャラデザインではかなり違和感があるな。


冒頭に線目の男の前口上があり、前回の主人公に続いてまた視聴者宛のメタ言辞を弄するので「やっぱこの演出は作品の定番なのかな」と思ったら、コイツがどうやら主人公の脳内キャラらしき描写があったりするのでまた良く判んなくなった。まだまだ仕掛けを抱え込んでるみたいだなあ。