コヨーテ/桜蘭/無敵/カペタ

コヨーテ ラグタイムショー最終話。ミスター御一統はマルチアーノをぶっ飛ばして爆弾を止める。おしまい。


いやー…。散漫ですねえ。お宝・マルチアーノ・爆弾と、お話のゴールをわざわざバラバラにした理由も良く判らんが、ぜーんぶスカシ処理で済ますとはどういうこった。特に爆弾。何やねんあの盛り上げる気ゼロの演出はァ。人物描写も薄っぺらで、連呼される「コヨーテ」云々ってのが実に空しく響くことだ。


総評。ワタシ最初の頃「1話だけ良い、ってならないのを期待」「語ろうという意志は買う」と書いた。前者は杞憂が現実になり、後者はその意志が邪魔だった。…だって語ろうとする内容が、ワタシにはどこが良いんだか最後まで判んなかったんだもん。これ、結局どういう話だったか面白く語れるヤツ居るか? 


人物描写の欠落加減も気になった。12姉妹は設定倒れも甚だしいし、マルチアーノ姐さんがそこまでミスターに拘泥するワケも判らない。いや、判らんなら判らんでいいのよ? 面白い話を紡ぐ気があるならさ。そうでないなら中途半端に語らないで欲しいのよ。タルいから。ああ、その点で言えば、ご都合主義を杜撰に使う傾向も個人的には苦手だった。面白くしようよ。テメエの都合で使うんじゃなくてさ。


絵は良かったと思う。声優の演技は堪能した。それでいつか面白くなればよいなあと思って見てたんだけど、ワタシにとってはそうならなかった。残念である。もっと何でも楽しめるようになりたいなあ、と思わされた作品ではあった。


桜蘭高校ホスト部23話。あはははは。バカだなー。本当に本当にバカだなあ。いやー、鑑賞中普通にニヤニヤ笑いが顔から剥がれませんでした。


ちうワケで前回からの続き、カザノヴァ君は女版ハルヒに恋してしまうの巻。前回もどこに行くかわかんない話だなあと喜んだが、今回はさらに酷い。カットの繋ぎ方や画面設計を含めて、何がどうあってもバカな方へバカな方へと際限無く転がそうとする強い意志が感じられる。素晴らしい。


ハルヒによる接待シーン、アブノーマルに見せかけて実はノーマル、全体的にはこの上なくアブノーマルというワケのわかんない状況が実に楽しい。途中に環の父問題とか馨の心情とか、マジな話題もキッチリ差し込んでくるあの余裕は何なんだ。んで、缶ケリでシメつつボサノヴァ君とは関係無く終わってしまう。あーもう好きにしてくれ。


えーとあと、「黒タマネギ部隊」というネタは皆さんに通用するのかなあ。このジャンルにおける素晴らしき遺産ですけどね。


無敵看板娘8話。あーあーあー、バカだなー。真性の純粋のバカだなあ。桜蘭に引き続いてまたしても口元緩みっぱなしである。何やねんこのコンボは。


てことで満を持して、と言っていいかな。ヘルズバニー様大登場である。前後通して実に濃いィなあ。前半は太田さんが頭おかしい人であるのこと。善の心と悪の心が戦うのですが、悪のバニーガール太田さんがあまりにも酷い。言ってることは堕落全開。エエぞエエぞ。


後半は所謂「病気の君のためにホームランを打つよ!」な話ですが…色々仕込んだ末に結局「美輝vsそれ以外」になっちゃうのはお約束。しかし、アクション気合入ってんなあ。飛びヒザをガードして踏ん張った足元からケムが立つ、なんてな描写が熱い。


虚構に命をかける男と、虚構で命を救う女。ああなんと素晴らしきかな虚構の力。あとヘルズバニー様。


カペタ51話。不完全なマシンで戦いつづけるカペタ。欠点をそのまま残し、あろうことかそれを助長するセッティングでレースに臨む。彼はいつもそうしてきた。常に、常に逆境こそが彼の武器であった。ああ、しかし更なる困難がレース場を襲う。


30分かけてじっくりと、息詰まるレース展開を描写してゆく。逃げもごまかしもありまへん。ハッタリの少ない地味な演出なんだけど、それだけに地に足ついた手触りがある。素直に面白い。


スタート時のエンジン音やシグナルのビープ音。それらがゆっくりと消え、やがて荒い息遣いだけが音響として残る。一瞬の静寂。ミラーに止まっていたトンボがふっと飛ぶ。そして爆音のスタート! …てな流れ、様式が美しい。とっきどきこういうかっちょよい描写があるんだよな、この作品。


次回最終回。あー、結局ベストコンディションのガチンコバトルは見られないのかな。ホンマにカペタには、ちゃんと戦わせてやりたかったなあ。