ねこぢる草

●「ねこぢる草」を見る。原作ねこぢる、監督佐藤竜雄作画監督湯浅政明。この三者は結構異質な存在であるような気がするが、まァ見事なコラボ。イメージシーンの集積体って感じの作品で、イマジネーションの爆発加減が実にクレバーな印象だった。雰囲気というよりは妙に「理に落ちた」シュールさなんだよね。そしてそれはとても心地よかった。


事前の期待通りかなり濃厚な作画アニメなんだけど(湯浅デザイン特有の「リズムのある歪み」がいい感じ)、その「突出した作画」という属性自体がキレイに作品の演出と同化している。作画のみ暴走してる作品ってのも好みではありますが、こういうトータルパッケージとして完成した作品も快適だわいね。


湯浅さんの仕事の面から見て「へえ」と思ったのは、後の「マインド・ゲーム」の奇抜な表現方法の多くがココでほぼ確立されてるってことですな。なるほど、意外にエログロなイメージも含めて「マインド〜」はこの作品の正当な子孫であったのか。うん、グロって言うより「生と死」のイメージかな。


音楽についてはワタシ貧弱な語彙しか持ち合わせてないので「すげえ良い」としか言えないけど、SEの独自性と「間違いの無さ」にはすごくウキウキした。効果音が凄くエエのよ、この作品。アリモノ音源はほとんど無かったような気がする。


あと、スタッフロールの「巻戻し」がおもろかった。うーん、やっぱこれすごく「頭の良い」作品だなあ。