IGPX/よみがえる空

●IGPX22話。さて。興行合間の箸休め、みんなで障害物競走とファッションショー。…なんか、こういう回にしては妙に絵が良くないですこと? いや、エエことだと思いますが。つーかおもろかったよ、うん。


リズさんがデルモやって、その行動が「移籍なの?」てな疑惑を生んだり生まなかったり…てな定番ハラハラは実に定番でして、定番的に楽しめましたね。こんなもん、ネタが割れてるかどうかは関係ないしねえ。ただただリズさんのミリキを楽しめばよろしくてよ。


リズのモデルに対して、タケシもエイミーも失礼な感想を述べるんだけど(「わ、本気だ」「でしょ!?」)、一番失礼なのがヒマワリさんだってのが妙に生々しくて良かったなあ。そーよねえ、多分この子が一番実際的感性の持ち主だよねえ。


…で、雪だるまンズはどこ行ったの?


よみがえる空最終話。やむなく両手を空しくして帰還するレスキューたち。翌日になってからの出征…と、ほぼ絶望的な救助に赴く彼らの心中やいかばかり。…出来る事をする、ただそれだけだ、と彼らなら応えるのだろうなあ。


困難を払い、アクシデントを切り抜けてやっと救った人命だが、巷間の心無い噂に心萎れることもある。本郷軍曹は頭に包帯巻いたままで言う。生きるってのは辛いことだ、と。それでも生き続けるのが人である。他者に理由を押し付けるな、自分でなんとかするのが人間だ。…内田の空は、よみがえるのを待っている。多分そう遠くない未来に、だ。


この辺のテーマは、プラネテスのローランド航宙士のエピソードを思い出しましたね。宇宙に拒絶された男と空を拒絶した男。結局自分がどう世界と折り合いをつけてくかってのが重要だ、とはハチマキの弁だったか。…うん、良い着地点だったと思います。


総評。実に意欲的なアプローチと質の高さであって、ここまでストイックな作品もそんなに出てこないだろう。しかし、やっぱり短かったかねえ。そうさな、話数が足りないというより、題材的に1話で1時間(45分)たるべき作品だったように思う。ムリだけどね。一区切りとしての1話が短いので、特に後半は、能登のお仕事パートがどうしても陰影不足というか浮いてるというか、ミソッカスになりがちだったのが惜しい。裏パートとしての土台にもう少し足らなかった憾みがあるなあ。


しかしそれでも、この誠実さを最後まで貫き通した意欲を買いたい。次回が待ちきれない作品だったと思います。…うーん、やっぱもうちょっとだけ彼らの苦悩や奮闘を見てみたかったなあ。整備クルー中心話とか。でもま、ここでスパッと終わるのが美しいか。