IGPX/よみがえる空

●IGPX17話。雪だるまンズにコテンパンにノされた主人公たち。チーム状況は最悪である。この鬱展開をなんとかせんと立ち上がったのが、我らの中年ダメコーチ! 現役復帰ィ! うわあ、バカ展開! …なんだけどね。


ヒマワリさんの「サトミの魅力は無謀さである」ってのはいい。が、正直今までそない無謀だったとは言えないし、また今回もそれに見合ったはっちゃけ演出だったとも思えない。無謀を標榜するなら島本を見習え! …とまでは言わんが、せっかくのバカ展開がほのぼの系になっちゃったのは少々惜しいと思いました。


…でもま、そうは言い条おもろかったよね。アンドレコーチの意外な萌え側面も見られたし。


どうでもいいが、雪だるまのハッキングはお咎めなしかあ。やったもん勝ちやな。あと、ロートル監督の現役復帰ってシチュエーションで「なんと孫六」を思い出すのはマイナーですかハワード監督?


よみがえる空7話。えー、人間ってのはどんな対象であろうがそこに法則性を見てしまうものでありまして。だから単なるランダム、あるいはカオスの集積である現実のデキゴトにも「運命って流れがあるんだねえ」と思うワケです。上手い虚構作品はそこを利用する。あからさまとさりげなさのバランスを取りつつ、ギリギリ作為的にスジを練るのです。


今回そのあたりの絡め方がイヤミなほど上手かった。お題はひょうたん島。最後の最後、本郷と内田、そして皆がひょうたん島を歌うシーンで全てが収束する。「だけど僕らは挫けない、泣くのはいやだ笑っちゃおう、進め!」。前後編に亘って描かれた、場合によっちゃ胃が痛くなりそうな緊張シーンの数々は、この瞬間に完全な「意味」を付与されたワケだ。緻密だねえ。


そんな構成を支える、正攻法のディテイルも素晴らしい。繰り返される様々な時計の音、状況が変わってもキャラに安易に「お?」とかの反応をさせない振り付け、そしてあの固まった「手」。緊張感に袈裟固めされた感じですよ。息詰まるわあ。


白拍子の「生きてた! 生きてた生きてた!」の連呼が良かった。ちょっとホロリと来た。あと、整備お嬢さんのちちにもグッときた。能登の腰にもミョンときた。エロい。