ヴィンランド

ヴィンランド・サガ・9話。のっぽのトルケル本格登場。満を持しての参戦にふさわしい強烈な印象のキャラであり、作画もアクションシーンを中心に熱量高くてよろしい。ぐるんぐるんカメラ位置が動くのでコンテ段階からめんどくさそうだなーと思った。性格的に陽気一点張りで勝敗関係なくただ人殺しと戦争がしたいだけ、という「頭の回るバーサーカー」に大塚明夫の声がジャストフィット過ぎる。…ハタから見てると憎めないおっさんだけどねえ。実際に相手するとなるとただの災厄だわなあ。二指欠損したままその手を振って「またやろうな!」っちうイカレシーンをちゃんと放送したのはえらいなあ。

豚肉を醤油で煮るだけ

●豚バラ肉を醤油と酒(と少々の香味ネタ)で煮込むだけというレシピを知って「いっぺんやってみたいな」と思ってたのでいっぺんやってみたのだが、まあ確かに旨い。味醂を入れたかったところをレシピ曰く「味醂入れると肉が固くなるので不可」とのことで、えーそうなの? どういう機序で固くなるのかしらと思ったがでもそうおっしゃるならそうします。…醤油なんてなしょっぱい液体で煮込んだらしょっぱい肉が出来上がるのではという不安に反してそこまでしょっぱくないんだよなあ。塩分濃度の高い煮汁は具材に染み込みにくいという認識があるので、煮汁の濃さと染み込みにくさがエエ具合にプラマイした結果なんだろうかしらね。

んでまあ、煮た醤油と酒のベースは料理なりまた煮込むなりで使えばいいとのことなので日々の炒め物に使用しておったところ、ふと思い立ってスペアリブを煮るのに使ってみたのだがこれがねえ、旨かったのよ。この旨さがスペアリブという素材によるものなのか(骨の部分のダシとか出そうだしね)、あるいは再度煮たことによる醤油ダレの「慣れ」によるものなのかはよく判らん。当然ながら煮汁もほぼそのまま残ってんのでまた煮込みも可能だが、今度は豚バラに戻ってみようかね。同じような旨さが出たら、煮汁のおかげってことだな。

キャロル/アストラ

●キャロル&チューズデイ・18話。アーティガンとタオのデコボココンビ話に始まり、メインのカイル記者とチューの話を軸としてなんかやたらいろんな要素が進行する回。アンジーへのシャレんならんストーカー、再登場のヘフナーとフェスへのリベンジ、チューお母んの危ういマッチポンプテロ、などなど。カイルさんはどうも物語上の底が見えないキャラで、チューがぽんぽん手玉に取られてしまうのか…と思いきや、ははあそういう方向ですか…。カイルさんと謎の女性が一緒にいるの見て勝手に傷心しちゃうという、チューさんナイーヴかわいい。あとキャロルの柄が光る傘、ブレラン以外で初めて見た。

●彼方のアストラ・9話。キトリーとフニが遺伝的に同一人物である、つまり二人はクローンってのは前回までの結論で、ならばこのアストラ号の全員が親のクローンではないか…ってのはちと意表を突かれた。そうかあ…気づかなかった俺が頭悪い。この前半の衝撃に負けない、つーかそれ以上のドンデンをケツに持ってくるのがなかなか。彼らの母星が地球ではない、ってことはポリーナさん(=視聴者)とは別の宇宙なのか!? と思ったけど、そうかこれ記憶の移植で地球に帰れなくする工作ということも考えられるのか。子供たちを高い能力を持つように作ったことへの悪意ある回答、しかしポリーナさんの存在がイレギュラーだった、って感じなのかねえ。さて。

ヴィンランド/コップクラフト

ヴィンランド・サガ・8話。トルフィンはまだまだアシェラッドには敵わないんだけど、戦闘能力としては前回時期よりは格段に強くなってんな、ってのがよく判るのはアニオリ部分の功績だな。アシェラッドの煽りセリフが流石の内田直哉で、老獪さヤらしさ満点ですごく良かった。こういう巧みな戦闘描写、トルフィンとアシェラッドの単純ならぬ関係性、スヴェン王やクヌートの重っ苦しいネタ…の後で、ちらっとだけ登場のトルケルの無茶苦茶な強さがすげえバカで楽しい。NHKだしぜひとも長く続いて、トルケルの一人だけ登場作品間違ってる感覚を大塚明夫で楽しみたいです。

コップクラフト・8話。なんか謎のアーティファクトによってティラナと猫さんの精神が入れ替わっててんやわんや…ってこれ続くの!? いや、うん、こういう話こそ丁寧にバカ積み重ねてゆくのはキライじゃないかもしれない。全体的に作画リソースがすごくキツそうな状況で、こうして「ねこが中に在るのでいろいろとアレなことになってるティラナさんの行動を見守る話」という大きなフックで視聴側を引っ張る、というのは妙手ではある。ヒロインの放尿シーンをメインに据える作品ってのも割と珍しいかもしれませんね。探したら結構あるか。まいいや。あと今回の展開だと、元カノのセシルさんがあそこまで聡くなかったらほぼ詰んでたね。すごく怖い、ような気がする。

アストラ

●彼方のアストラ・8話。謎の同型船と謎のコールドスリープ女性の素性はとりあえず明らかになったが、でもまだ何か謎は(当然ながら)残っている。この世界には何か大きなことが発生しているはず、と言うのはその事象が回避されたのかあるいは別の世界線から来たということなのか。そして最後にフニとキトリーがクローンではないかという示唆をもって続く。つくづくクリフハンガーな構成の作品ではある。あと、同型艦でニコイチ修理するってのをアリエスが言い出すまで誰も気づかないってのはちとご都合…いやまあ、そんなけザックさんも精神的に参ってたってことだろうけどね。

キャロル

●キャロル&チューズデイ・17話。チューのお母んの政治的内情がギスギスしてたり諏訪部の記者がなんかこっちに踏み込んできたりとどこか不穏な雰囲気はあるのだが、それよりもまずアーティガン。一旦零落したのち裸一貫やりなおすという何となく感動的なスジのはずなのに、そこここに見えるヘッポコなディテイルがどうにも可笑しくて「あれ? これひょっとして…?」と思ったら案の定うえのきみこ脚本である。自らのダークサイドとライトサイド、要するに天使と悪魔ネタを臆面もなくやらかす性根と、それに「ポジティガンとネガティガン」なんてネーミングしちゃう心臓が素晴らしい。ラストのボイパ…っつーか口三味線とそれ見て満足しちゃうタオのとことか、本領発揮にも程がある。好きだなあ、うえのきみこ

猫は勝手に生きている

●帰宅の道を歩いてたら前方に黒猫が居る。なんか道端のくさむらに向けてちょいちょいと手を振ってて、どうやら葉っぱに付いてる虫か何かが気になるらしい。割と無心に虫いじり楽しんでんなあ、と思ってたら向こうが気づき、ハッとした体で走り去る。いかにも野良猫が通行人を警戒してるような風情ではあるが、何というかその…ちょっとだけ「ヘッポコな遊びしてるとこ見られちゃった!」ってな照れが見え隠れしてたように思えたのはこっちの勝手な想像ではあろうか。ああいう常に野生でヤサグレた感じのキャラが誰も見てないとこではにゃんにゃらしてる、ってのはギャップ萌えポイントであることだなあ。いや多分勝手な妄想だけど。

ウチに帰ってきたら向かいの集合住宅の戸口んとこに、ぐでーっと伸びてるキジトラが居た。こっちに気付いても「なんやねん文句あんのんか」ってな態度でふてぶてしい。これもまた、猫であることだなあ。