ブレイバーン/ダンジョン飯

●勇気爆発バーンブレイバーン・3話。割と前向きに隊員どもの特訓を監督しているブレイバーンが可笑しい。メカで走り込みはともかく(協働しての作戦行動という意味はあるか)、地球側既存の兵器で敵の超兵器に挑むリクツとかは有用な情報だろう。そのようにしてブレイバーンは隊員たちと交流し、ルイスは謎の…まああんまり謎でもないが…お嬢さんとアタフタし、ひとりイサミが完璧に蚊帳の外である。いいのかそれで! 主人公だろう君は! しょうがないけどね!

そしてなし崩しに新たな戦闘、今回は水中戦。上記の通常兵器の利用法や水中ならではのヘンなギャグなど、いろんなとこに工夫のあるシーケンス。水中戦時にはコクピット内は呼吸性の液体で満たされるというネタをあえて「アビスのようなものだ」って表現するのはヒネててよろしい。レーダーにも「ブレイバーン」って表示される≒米軍のIFFをノータイムでハッキング出来る、って描写もあれ、単なるギャグなんかどうか判んないやもう。

八つ当たりのやけっぱちでオラつきながら戦うイサミと対照的に、敵性存在っぽいお嬢さん…ルルさんに刷り込みでもってなつかれるルイスさん。お互い立場が交換できればねえ、という悲喜劇ではある。あとイサミ付きのナビゲーターの人、あのヤカラってるイサミさん見て「素敵ィ…」っての、この人のヘンさはちょっとタチが違うな。なんだこいつ。

ダンジョン飯・4話。Aパートはゴーレム畑。センシがこのダンジョンでどう生きて、なぜここで生きているのか。正直彼のダンジョンへの愛情は、利他的である以上に本人の為、いわゆる労働の喜びに根差すものではあろう。それによって他の多くの人に利益をもたらしているとしても、だ。しかしこの…細かいとこまで構築されたエコシステムの設定はいい。こういうのを考えて演繹するのが楽しくてしょうがない、そういうのが九井先生の身上だわなあ。

Bパートは迷宮内酒場→オーク襲来。最終的には対等な立場で交渉することになるが、マジで人を殺し敵対し憎悪している種族との対峙は、今までの話にはないピリピリした緊張感がある。歴史的にも「ハイごめんなさい」で手打ちもできない関係性のコミュニティ同士でも、個人間のことならまた話は別だと。腹が減って喰って飲むのは誰も同じですよ、というなかなか本作の根幹に関わるお話でもある。…シリアスで現実的な道具立てを、レギュラーのキャラ性と食というテーマでの語りなおしで「エエ感じのストライクゾーン」に放ることのできるってのは本当に強い。オークの首領・ゾン氏もエエキャラしてるしね。

あと中途半端な迷宮下層で、うっさんくせェならずもの酒場が成立してるってのもいいよねえ。ここで交渉のロールが成功してればもっと穏便に済んだのかなと思わんでもないが、それもまたダンジョンの機微ですかね。