●新番組・葬送のフリーレン。初回4話一気に放送。原作は飛び々々に読んでいる程度。最初の数話読んで「こりゃまた無茶苦茶こなれた手際のマンガが出てきたな」と思ったもんだ。派手やケレンに依らない、石を積んで像を作るような丁寧さが身上の作品だけど、それにキッチリ応えるべく相当なリソースと制作側個々の才覚が盛り込まれてて、流石。アニメコンテンツとして気合入ってんねえ。
かなりゆったりしたペースなのに時間は容赦なく過ぎる、という独得の感覚。それはほぼ不老であるフリーレンが「わずか10年」という感覚で他者に接し、彼我お互いの差異に生ずるドラマこそを描いているからであり、そしてそれは遺漏なく成功していると言ってよい。もっかい言うけど、気合入ってんなあ。…4話の絵コンテに川尻善昭見つけてちとビックリしつつ嬉しくなった。70越えてシッカリ現役なんですなあ。
一挙4話放送は大盤振る舞いだけど、こうでなきゃならんという必然性はそこまで無かったな。1話見りゃほぼどういう話か・好きか嫌いかは判るように作ってあるしねえ。いっぺんに見られてうれしいので、別に文句はありませんが。キャストの種﨑敦美・岡本信彦・東地宏樹・上田燿司という座組がガチガチのガチに巧いキャスティングぶりで、これに不満を覚える視聴者は早々いねェだろと思う。そして市ノ瀬加那の若き相棒の青っぽさ、フレッシュさが良い彩り。しかし種崎さん、ホンマ声質自由自在やな。
てことで文句はありません。あとフェルンがいちいちまるまるしくて良いと思いました。以上。