●AIの遺電子・最終話。須堂先生が超AI側に与することの引き換えとして内戦状態の国に赴き母を探す…ってとこでオープンエンド気味にシメ。でもまあ区切りとしてはアリではあるし、須堂先生の行動で話を考えるとここでの最終回もそない悪くない。仕込んだ伏線がかなりあからさまに「解決待ち」系のネタなので、それが問題点ではありましょうかね。
総評。近未来のAI/疑似人類社会において発生する様々な齟齬を提示する。ベタネタから変化球な話までレンジが広く、そして個々の話のツイストやギミック、逆にベタさ加減がちゃんとしてて「週刊マンガでようやったな」って感想がある。AIと人間、自意識とその存在意義というかなり多義的なネタを扱うだけあり、一筋縄ではいかない話運びが身上なんだけども、陳腐な定型でもなく振り切った概念世界にもならず、中庸のエンタテイメントにバランスとってんのが割とエライ。次回はどんなネタかな、って楽しみにできるってのは原作者の創作努力の賜物でしょうなあ。
作品全体のバジェット的にはあまりデカくなくて、所謂キャッチーな画面ってな要素は希薄だったけど、最後まで作画・演出的なブレも少なくてすっくりと裡に収めやすいパッケージングになっている。…でもちょっと思うことには、この中身で実写の1時間枠ならまた別のテイスツが出たんじゃないかな、とかそういう。米国連続ドラマ的なフォーマットに合うんじゃなかろうか、と。まあそれは多分ムリな相談ではある。…今急に気付いたけどチャンピオンってBJ先生を筆頭に医療マンガは結構推進気味であり、この作品もその系譜なんかなとか。ふらんちゃんは…あれはREDか。まいいや。
見るからに原作途中ってとこでヒキになったので、できれば2期も見たいけど…どうだろうなあ。チャンピョン原作アニメっていろんな理由で単発になりがちだからなあ。期待だけはしといて心にしまっておこう。そんなとこで。