吸血鬼すぐ死ぬ/虚構推理/ヴィンランドサガ

●吸血鬼すぐ死ぬ・10話。吸血鬼アンチエイジング・辻田さんとカンタロウさんシリーズの二本立。前半の総員若返り話は各ガキの振る舞いがそれらしくて良い。アンチエイジング緒方賢一は結構なトシなのにわっかいなあ。あとガキモードの各キャラも結構贅沢なキャスティングになっててスゲエ。あと稲田徹とか子安とか小野坂とか小野とか、おっさんから青年になった程度のちょっとした若返り演技が流石にヴェテランだと思った。後半の辻田さん話は毎度ながら重たい状況をしょーもないギャグで見せるバランス。「手錠のまゝの脱獄」シチュはいろいろと便利ではあるよね。あと関俊彦のオチャラケ演技ってどのくらいぶりに見たかなあ…。

●虚構推理・10話。少々手荒い言葉の連鎖を以て、琴子さんによる場のセッティングは完了する。とまあ本題に入るここでやっと、今迄は傍観者だったリオンさんが新たな段階への気付きと呈示をする。それはずっと傍観者であったから俯瞰できたことであり、そしてその様に導いたのは琴子さんその人。…全員に殺されようとされていた被害者の死因は自殺。これが隠されていた真相である。

…という、この段階で充分にツイストも意外性も効いてて妥当な結末とできるところが、実は更に深いレベルに物語が流れていくというのは凝った話だなあ。言われてみりゃ自殺を偽装するのに「他殺されたように見せかける」必然性は全く無く、それなら事故死に偽装する方が自然だわ。議論とリクツを重ねることで自明のことを判んなくする…ってことだなあ。さて、となると真犯人は誰か。そして何故おひいさまは、こんな回りくどい形で古い不発弾を処理する必要があったのか。以下次号ですかね。

ヴィンランド・サガ・10話。クヌート陛下のイェリングご帰郷。病床にある兄王ハラルドを見舞い、かつての兄弟の交流を懐かしむ。…兄を今まさに毒殺せんとする、またそれとは別のこと。父王スヴェンの亡霊はそんなクヌートの在り方を王冠の呪いだと嘲り笑う。あれほど忌み嫌った父の道程に、クヌートはそのまま乗っている。彼には今や、腹を割って話せる相手はその「呪い」しか居ない。何者をも区別しない博愛とは、そんな呪いなのだろうか。

とまあ孤独な覇王たるクヌートの内面はともかく、これでハラルドが崩御となればその余波は鉄拳ケティルへ、そしてトルフィンたちへ押し寄せるワケだわなあ。今は自由の民になったことを喜んでるけれども、まあ…ねえ。そんな充実感にひたることなんざ、暴虐の人殺しに許されるハズもねーよなー? なァトルフィン。