パリピ孔明

パリピ孔明・最終話。ゲリラライブ対決は双方に花を持たせ…た雰囲気だけど勝負はえーこさんの勝ち、という雰囲気で終了する。アザリエ/ナナミさん/唐澤氏側への作劇上のフォロー具合が丁寧。特に視聴者から見て敵役の矢面に立っている唐澤氏の扱いがなかなか気を使ったもので、全体の流れから細かい描写からいちいち手厚い。一番おお、と思ったのは反発した唐澤氏が孔明に杖を突きつけるとこで、孔明はそれを気にせず話し出す…とはせずに眼前の杖に手を添えてぐっといなす。このちょっとした「当たりの強さ」を出すことで、孔明が唐澤氏と同格で向き合っているという「立ち位置」を演出している。とことん彼/彼らを下げない勝ち方をしてんのが見てとれんなあ、と思った。

総評。まずこの素っ頓狂な話づくりに孔明というジョーカーを持ってきたのが上手いわな。何がどうあっても「まあ孔明だし…」でねじ伏せられるのがズルい、んだけど同時に孔明として納得のいく「策」をひねり出さなきゃならないというハードルはある。今回の範囲に於いてはその点は十二分にクリアしてると言えるんじゃないでしょうか。それに付随する音楽のクォリティも高く、民草の耳目を集めるに説得力もあった。

ただまあ…最後までカベさんのラップ要素はイマイチぴんと来なかったです。これは単に、もとから音楽素養が乏しい上にソッチ方面にはさらに弱い我がのせいだとは思いますけども。まあね。

えーこさんと孔明はまだ道中半ば、こっからの成り上がりはまだまだ続けられるだろうなってとこ。原作を踏まえての2期は当然考えられるだろうけど、俺たちの物語はこれからだってなアゲてく雰囲気で一旦のシメ、という体裁としてはかなり上出来な終わり方ではないかしら。うん、原作に対してキッチリとアニメアダプテーションが決まっていると思います。面白かったよ。