デカダンス/プリテンダー/富豪刑事

デカダンス・10話。この世界は全てニセモノと聞かされてぶっ倒れるナツメさんである。やっぱり彼女のモチベーションそのものがまやかしであり、それを知ってて黙ってたという裏切りもあるし、ショックはあるかなあと思ってたら1話しないうちに復活してんのがナツメさんらしい根の明るさでよろしい。まあその直後にカブラギさんともども大ピンチなのだが。あと、まだデカダンス世界は残ってるとは言えかなりデカいちゃぶ台返しではあり、その後のちょっと脱力した雰囲気を描いてんのはなんか面白い。

●GREAT PRETENDER・10話。ここでシンガポールまで編一区切り。…トシ取って精神的な強さが失われたからだろうけど、こうまで「お約束なウェルメイドエンド」されるとちょっと涙腺に来る。いや酒飲みながら見てるせいもあるんだろうけどさ。ともあれ、物語開始時から常にツンケンしてきたアビィが枝村にふっと笑いかけるエンディング、これだけでああよかったねえという感情が沸いちゃう俺の詐欺師適性の無さやいかに。そのシーンに向けての積み重ねがおろそかになってない、その脚本もよろしい。イブラヒム兄と詐欺師集団、弟/ルイスとアビー/枝村、というレイヤの異なる勝負の上で、最終的な勝敗はともかく視聴者が「あ、これアリやな」ってなところに着地するバランス感覚やよし。この辺のベタで典型を張った区切り方は、大衆演劇のそれを踏襲しててとても良いと思う。個人的には、クラークが相手のバレルロール見てその主がルイスだと確信する辺りの「判ってる野郎同士の世界」っぽさがかなわんかった。…さて、次回以降はどうなることか。一旦巻き戻してチャラにする、ってのもあるけどねえ。

富豪刑事・9話。大助・加藤ともにほぼ無援の状況でいかにして動くか、という話。単なる悪人としては描かれていない神戸茂丸だが、まあここでは一応ラスボスとしてのポジションを持ち彼らの前に立ちふさがる。巨大輸送船上のバトル、ハイテク兵器、ボスの隣のヤケに個性的なヘンチマン…とこの辺は007のノリだわな。真綾声のボンドガールも居るしねえ。あと加藤さんはいろいろあって名誉回復に至るのだが、この辺はちょっとご都合っぽい印象があったかなと。まあその前段階で現役捜査官さんたちにちょっと嫌われ過ぎてたフシはあるんですがね。