デカダンス

デカダンス・最終話。大盤振る舞いのアクションとイベント、ラストにカブラギの帰還も示唆してウェルメイドな終わりではある。三石琴乃がこのカタストロフィもシステムの一部だと言う、そのモヤモヤもまた「この物語がここで固定化されない」という…まあその、メタ的にはさらに上の続編的構造もアリだよなあってな希望にも見える、かしら。ラストバトルに続々とモブプレイヤーがログインしてくる展開は、レディプレイヤーワン辺りを思い出した。…ラスト後の世界、どことなくお行儀のいい管理下っぽい世界なのが気になるが、まあね。ナツメさんの探索ツアーがそこら辺のブレイクスルーになるだろうか。

●総評。1話、ワイルドなポストアポカリプス世界だけどなんかゲームっぽい設定だなってのが実はマジでゲームだったというツイスト。このツカミがなかなか効果的。舞台設定がそういう変化球なんだけど、その上に乗っかる物語自体はすっげえ王道でど真ん中志向、ってのがいいバランスだったんだろう。アクションもエピソードも見どころが多く、各話飽きさせない造りになってんのもエライ。

ただまあ…この世界スケールだと1クールはちょい手狭かなあと思った。ナツメさん側世界代表みたいな立ち位置のお嬢さん二人、序盤に出てきた後は重要な役割も少なくチョイ役程度の顔見世だったり、フギンとムニンについても中間管理職と思わせて実は最高権限者、という構造がちと単純だなあと思ったり。要するに、こんなデカい世界なんだしもっともっと俺の見てないディテイルがあるんだろうな、と思わせてくれるのがもったいないってこってすかね。ゼエタクな注文だけれど。

あと、どっちかっつーとちょいとモッサリ気味なキャラデザインは、個人的には割とアリ。この程度にパキッとしてそぎ落とされたデザインの方が物語に入り込めるんです、俺は。サイボーグたちのおもちゃっぽいデザインは…うーん、人間と並んだ時の違和感を狙ったものとなるとホンマはトゥーンシェードのCGでやりたかったんじゃないかなとは思いますけどね。とまれ、楽しませていただきました。これフツーにゲーム化したりしない? まあしたところでスマホゲーだろうけどね。…あと思い出したアレだ、ジルの言ってた「バグ」って何だったんですかね。2期への布石?