アストラ/ヴィンランド/コップクラフト/キャロル

●彼方のアストラ・11話。シャルスさんの告白とその顛末。1話ほぼシャルスさんの背景の種明かしで、そのキッツい履歴と情感も然りながら、それを受けてのカナタさんの吶喊姿勢も衝撃的でよろしい。彼が片手を失うことになったあの行動は多分無意識のことなんだろうけど、それがシャルスさんの良心を呼び起こすことになるという展開に違和感は無い。あの状況で右腕がらみの軽口を言えるカナタさんはしっかり主人公属性である。回想シーンの悪辣な父王(?)に平田広明、この演技がなんだか若本規夫を思い起こさせる存在感があってちょっと驚いた。いや、この二人の演技に自分のなかでの共通性があるとは思わなかったもんでさ。

ヴィンランド・サガ・10話。クヌート殿下と教育係ラグナル、そしてヴィリバルド修道士。トルケルは当然ながらアシェラッドたちバイキングたちと比べてもどうにも腰の弱い奴らなのだが、いやだからこそこの状況のマクガフィンになっているのである。…クヌートさんはのちのちそんな立ち位置をぶっ飛んでいくんですけどね、まあそれはそれとして。中盤のアシェラッドとトルフィンのシーン、アシェラッドがかなりポエミストというか、有象無象どもから突出して何らかの精神性を追っかけてるのがよく判ることではある。その上で今話のラストのように、博打で上前ハネる選択もできちゃう辺りが強みなんですけどね。あとトルケル側、いつもどおりムチャクチャな強さの大将と一緒にアスゲートが本格的に出てきた。この人が居ないと、トルケル側の話を進めづらいんだよねえ。花山薫に対する木崎というかさ。

コップクラフト・10話。一旦ペンディングになってた政治家さん話を再開、ヒョーロク玉議員さんのヨメがマジでヤバそうな感じでありなかなか怖いんですよ、という話。米国警官ドラマあるあるネタの「悪役FBI」が出てきてほっこりするが、これもあのヨメの差し金なんかしらね。あと地球人の方にアッチ側の過激なシンパが居たというネタは、寄生獣の市長を思い出したりした。あーあと今回はまた作画的な部分がかなり厳しくて、口パクがズレてたり音響上の演出と画面が不整合だったりしてた。部分々々ではいい絵もあったので、外注部分の一部が間に合わなかったとかそんな感じかしら。それとあとメッサーシュミットぶっ壊したらそら怒られると思いました。うん。

●キャロル&チューズデイ・21話。キャロチューがそれぞれの困難を乗り越え、トビーは伝説のプロとしての矜持を示し、ついでにガスがちゃんとプロデューサとしての仕事をして、教会での曲とクリスタルとの出会いをクライマックスとして高揚したシメを構築する。清く正しい音楽のドラマ、って感じですごくようできてんなあ、と感情移入しつつ見られますなあ。一方のアンジーがものすごく転落人生で、ここまで下り坂を与えられるってことはなんかこう、逆説的に「こっから這い上がる」という主人公ネタの前振りなのかなあとも思ったが…それにしてもクスリてんこ盛りという描写は結構キツいなあ。あとスペンサーさんはスパイやるにはちょっと素直すぎるので、多分足元すくわれちゃうと思います。大丈夫か。