アストラ

●彼方のアストラ・最終話。2話分の1時間スペシャルであり、そういえば開始時もまとめ視聴の作品であった。伏線は滞りなく回収され、どの方向にも満遍なく充実した大団円を形作る。最終回にタップリとエピローグを取る作品はいい作品です。あと、ルカさんが基本的に女子方面に傾いてるのは嬉しくもあり惜しくもあり。ま、ウルガーさんのエエようにすればいいのではないでしょうか。

総評。何よりも「この長さの作品」としてキッチリと構築された上でのアニメってのはそれだけで割と貴重なので、その点において評価がまず高まる。勿論大河ドラマ的/あるいはスライスオブライフ的にライブ感で続いていく作品も充分楽しいのだが、それはそれとしてね。最近見たアニメで比較するならプラネット・ウィズや正解するカドとかだろうか。どれもSFジャンルなのは私の嗜好だけど、いろんなギミックを利かせやすいという意味でもSFはアドバンテージがあるんだとも思う。初回感想時に言うた通り諸々の設定のユルさはジュヴナイルを思わせるものではあったけども、つまり語りたい物語のために構築された世界って意味ではすっごくSFでもある。うん、そうねえ…冒険物語、だねえ。

原作者の特色であり長所であるノリのいいキャラクタ造形は、話を進める上で良い推進剤になっている。会話劇の楽しさが牽引要素として大きなウェイトを占めていたもんねえ。ま、上記のちょいユルな設定とか(面白いけど)いささか垢抜けないキャラ造形とか、クセのある味わいは認めざるを得ないけれども…それを推しても、最後まで飽きず視聴させていただいたはとても良いことだ。ともあれ、お疲れ様でした。楽しかったでございます。