ワンパンマン/キャロル/さらざんまい

ワンパンマン・5話。ムカデ長老を筆頭に各地で怪人が暴れまわる中、彼単体で結構な力量を持つガロウはヒーローを冷笑的に襲い、一方でサイタマはフツーに試合に勝つ。…何だろうね、話の基本的な構造でちょっとチグハグ感があるな。かなり危機的な状況(A級ヒーローがどんどん摺りつぶされてってる)のに武術大会やってる上に、ここにもサイタマ以外のヒーローが居てるとか。また、状況がインプログレスだからってのもあるだろうけど、どのバトルも寸止めみたいな感じでスッキリしないのもモヤっちい感覚に拍車をかける。そういういろいろ縛られた条件下のマッチではあるが、金属バットとガロウのバトルは(多分ガロウの方が強いんだろうけれども)お互いに実力があるってのを見せるような感じにはなってましたね。工夫してんなと。あとニガムシさん、初登場時のヤなキャラ何だったんだってくらいのいいヤツであるな。

●キャロル&チューズデイ・4話。MV作る詐欺に引っ掛かる御一統…いや詐欺かなこれ。あのヘッポコロボ、低クォリティとは言え一応MVは作ってるしねえ。涼宮ハルヒの第1話もそうだったけど、低質な実写映像をアニメで再現することに多大な手間をかけるってのはちょっと倒錯的な贅沢だよな。アニメーションはそこにあるもの全部意図をもって「作画する」ワケで、そういうフィルタによってなんかかんか質感の統一がされてしまうという。今回のヘボMVも上手いこと編集したらあれ、アリの部類に十分入るよね。てことで所謂所のフィラーエピソード、どうでもいい話でありそれだけに面白かったっす。すっげえダメ人間臭い編集AIロボ(AIつったら何でもオッケーとか思ってそうだな)が佐武宇綺で脚本がうえのきみこなので、なんかスペースダンディテイストが濃厚だった。あとコンテが岡村天斎でした。

●さらざんまい・5話。カズキさんのお辛い立ち位置の話。これ、言わば祖父が死に際に残した一種の「呪」だわな。血のつながりが無い家族である、ってのをわざわざ言うて死ぬってのはそういう意図があったんだろうけども。重たすぎる呪を持って、そのことで弟を傷つけて、もう二度と傷つけないようにと砂上の楼閣を築き上げて更に傷つける。「繋がりたいけど許されない」という自罰的なサブタイの通り、最終的にはカズキさんの赦しの対象は自分でなくてはならないのだろうか。ま、そのまんま素直に話が進むとは思えませんけれどね。…しかしイクニ作品としては格段に判りやすいしなあ。おもしれェや。