うしおととら/ワンパンマン/おそ松さん/ルパン三世

うしおととら・18話。暴走するうしおを止めんとするヒロインズたち、その後半。ユウちゃんの次は真由子、そして麻子さんのターンである。メインヒロインのお二人だけあって尺もドラマもきっちり割いての活躍ですが、麻子さんがとりあえず一番として、真由子さんの方もとらちゃんとの関わりも盛り込んでんのでボリューム的には充分ではある。まあ、この辺の流れもベッタベタだよね。そらもう一種気恥ずかしいくらいにね。それがこの作品の美点の一つである。

ヒョウさんも加わっての防衛戦、絶体絶命ってとこで復活のうしおととらコンビは期待通りのオーバーパワーでよろしい。それまで皆が蹂躙されてた妖どもを一刀両断ならぬ一槍両断で排除するあの無茶パワー…主人公やねえ。うしおがそれまで精神を乗っ取られてワケ判んない状態だったとも思えない、阿吽の呼吸っぷりもよし。今回もいちいちとらさんがつんでれってんのですが、復活のうしおに頭ド突かれて大笑いするトコが白眉だろうな。嬉しかったんだろうねえ。

大騒動が一段落し、緊張の抜けたうしおが「夢を見た」という体で今回の戦いの感想を述べるのだが、見事に女の子のことしか言うてないのは…いやまあそういうバトル構成にしてそう喋らせた原作者のせいですけれども、うしおっぽい天然タラシ気質じゃのうとか思いました。この一連のシーン、演技的には結構難物だよなあ。上記のようにかなりこっぱずかしい台詞群だが、照れてちゃできねェ。

ワンパンマン・5話。ヒーロー試験に臨むサイタマとジェノス。ジェノスさんはいろいろあって特例的Sクラスとして合格、サイタマは赤点ギリギリで何とか合格。技能的には(超人としても)非常識な数値をたたき出すも、筆記でダメッダメだったってのは…うんまあ、判るような気がする。就職活動ダメだったお人ですしね。…しかし何だね、この世界にもコアな野球やプロレスファンみたいな「ヒーローオタク」が居るだろうし、そういう層には「知る人ぞ知る」みたいなコアな人気が出てそうな気がするけどねサイタマ。こいつ点数カラキシだけど実はこういうエピソードが…みたいな。あるいはそういう視点こそが視聴者に与えられてると、そういう構図と言えるのかもしれない。

後半はサイタマさんがジェノス相手に組み手する話。やってることは単純な模擬戦闘でありそれだけでそこそこの尺を取ってんだけど、その時間を全く飽きさせないとんでもないアクション・エフェクト作画に感心する。尋常じゃない力と速度でぶつかりあう超人たち、ってのはこういうテーマの定番描写だけど、ここまでとことん突き詰めて描かれると流石におなか一杯の満足感。さんざんやらかしたあとで「腹減った、うどん喰いに行こう。…うどんキライだっけ?」と言うサイタマ師匠がなんかかっちょいいぞ。いい間合いだ。

やる気のないサイタマ相手に切れて潰そうとするA級のおっさんに三木眞一郎。毎回一人は豪華ゲスト連れてきて即退場させて次回予告させる、というルーチンなのね。この人も多分ホントに強いんだろうけど、清々しくカマセで終わってはって清々しい。アイキャッチでも使われてた蛇拳っぽい動きがまた、ムダに凝ってて笑ってしまう。楽しそうだなあの作画。

おそ松さん・5話。前半はカラ松の受難話というギャグ、後半は一松とネコとの交流譚っぽいいい話…という体裁で、実は前半のカラ松話がシコミであり後半のエエ話がすごく純粋な前フリとして機能しているという、なっかなか凝った…うんまあ、ひどい構成の話。特に後半、エエ話してる最中に「あれ…カラ松居ないな…」ってのが気になりだすともうアカン。表現形はあくまで「凄くいい話」以外の何物でもないのに、見てる立ち位置がちょっと違うだけでここまでひっどい話になるものかと感心している。またデキがいいんだよエエ話のよ。危うくホロリと来るトコだったよ。あっぶねーなー!

そしてエンディングもカラ松兄さんの担当という、うーむ見事な構成と言わざるを得ん。「俺を…養わないか?」じゃねェよカラ松兄さん。すっげえいい声で言いやがんのがまたひどいなあ。

ま、そういう本質は置いといて(置くんかい)、表層的なネタですけれども、今回は一松と十四松それぞれのキャラがかなり立っててよろしかった。中二でひねくれてっけど根っから孤独になれない一松、どうしようもないバカで狂人に近いが純粋な十四松というね。声優演技もキッチリと立てていて好感触。…あとあのネコ、大川透だったのね。不思議なキャスティングしてんなあ…。それとあと女子学生のモブにくじらさん出てきててちょっとおもろかった。しょうがないよね、今回女性キャストがチビ太の國立幸とお二人だけだったしね。

ルパン三世・5話。いわゆる一つの「峰不二子という女」ってな一編。その舞台としてサーカスとマジックってのはなかなか狙ったものだと思います。本心を見せないまま、フェイクを本気に本気をフェイクに見せるという…彼女のとらえどころのない魅力(ま、男から見れば、ってとこかもしれませんが)を表出するお話として、マジックってのは実に判りやすい。その相方が純朴な青年となるとなおさらである。

にしても沢城不二子、増山ラインの正当な後継として本当に文句もつけられんほどの完成形を作り上げてますよな。もとより芸達者な声優ではあるが、単なるマネでもないかけ離れた独善でももない…古い皮袋に新しいワインの例としてこれ以上は求めにくいほどのベストマッチじゃなかりましょうか。今回であれば不敵な笑みもいいけれど、冒頭にてルカさんが救いにきたシーンのちょっとだけホッとしたような声とか、うーんなかなかよろしいよね。うん。

あと何だね、大野雄二のBGMも何というか「ルパンシリーズ総ざらえ」っぽいトコがあるよね。ラストシーケンスにて「炎のたからもの」のアレンジ持ってきてて、カリオストロまで範囲広げてんのかーと思ったりした。ま、視聴者としちゃうれしいこっちゃよね。