ワンパンマン/キャロル/アストラ

ワンパンマン・最終話。とは言え一区切りっぽさもそれほど無く、話はまだ続くって感じ。それでもムカデ長老相手にサイタマが久々のワンパンを見せたのは、それまでのバング・ボンブ・ジェノスがちゃんと強さを見せつつ苦戦してたのを踏まえた上で、いい見せ場ではあった。とまあ(一応)最終回ってことでアクションメインの話だったんだけど、所々作画や中割りが怪しくて、作監も大変だなと思ったりもする。

●総評、ってっても上記の通り話はちっとも終わってないんだけどね。…まあ、どうしても前シーズンの無茶な作画と比べてしまうってのはしょうがないところで、言ってみればその作画センス・無茶さがこの作品のアイデンティティなのだなあ、と逆説的に理解させられてしまう。今回のアニメ化も凡百の作人に比べれば充分によく動くし、回によってはかなり目を引くアクションもあったのだけれども(青木健一郎や神谷智大をアクション作監に立てた回とか)、それでもね。あとお話の中身もエッジが弱くて、中盤の武術大会エピソードとか「話がなんか回り道してんなあ」って感じで見てる分にはちょっと辛いとこがあった。ボロスという「根っからバカ強い宇宙最強の敵」に対比して、成長してゆく敵としてガロウを設定してあるのはよく判るけれど、視点が怪人協会とで分散してるのも相まってちと弱い。これはまあ、ここから盛り返してくる流れなので、無論この段階で判断はできないですけどね。

…ってェか俺、フツーに分割2期がある前提でこれ書いてるけど…あるんだよね? うっかりして続編制作中のお知らせ見逃したけども。どうなんでしょう。まいいや。

●キャロル&チューズデイ・12話。囚われのお姫様を救いに行く王子様と騎士のお話。まあキャロルがタチ…もとい王子様なのは妥当というか、ある意味逆でもいいんじゃないかというか、まあいいや。そしてぎりぎり間に合わないタイミングでなんとか歌だけ歌わせてもらって、そして大感動…という定番の流れでクライマックス。誰もチューズデイがエエシの娘さんなの気にしないとか、そういうご都合はあえてのことだろうな。そしてアンジーが案外真っ当な「ライバル」枠に入りそうなのがちと意外。あるいはTV番組としてのパフォーマンスの一環なのかもしれないが。あとキッチリ捕まっちゃったガスとロディもちょっとだけ気になるが、同じく手引きした櫻井兄さんはこれ勘当されない? 大丈夫? 

●新番組・彼方のアストラ。十五少年漂流記・宇宙版というかバイファムというか。まあ蠅の王やリヴァイアスにはならんと思うけど。最近のアニメとしては比較的珍しいジュヴナイルSFという道具立てではあるが、出力するのが篠原健太なのでボケツッコミがやたらとキレが良くてすっごい不思議な味わいになってんな。ともあれ初回は各人の紹介とシチュエーションの提示。SF的な設定は割とユルい、というか語るべき物語の為にチューニングしてあるところもジュヴナイルっぽい。実際に話が転がるのがここからという感じなので、ここまででまとめて1時間分お出しされているのは妥当なディレクションだと思った。主人公の片割れのカナタさんに細谷佳正で、最近は大人びた/大人の役が多いところでこういうストレートな少年主人公は珍しい。ともあれ、ちょっと見てみましょう。